FAによる人材流出が最も多かったチーム、獲得が最も多かったチーム【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回はFA選手の移籍と獲得についてだ。
2016/11/06
Getty Images
各球団の主力選手が巨人へ
最も多くのFA選手を獲得したのは巨人。その顔触れは豪華だ。
1993年、FAで獲得した中日の落合博満を筆頭に、東京ヤクルトスワローズの広沢克己、西武の清原和博、広島の江藤智、日本ハムの小笠原道大、横浜ベイスターズの村田修一と、各球団の4番打者を次々と獲得した。
投手では、広島の川口和久、ダイエーの工藤公康、ソフトバンクの杉内俊哉など、エース格の左腕投手を獲得することが多かった。
これらの選手の多くは巨人でも、一定の成績を残した。期待外れに終わった選手は少ないが、ほとんどが球界屈指の年俸だったから、コストパフォーマンスが良かったとは言えない。
最近は巨人もあまり派手なFA移籍は見られない。
かつては、注目度でも、待遇でも、パリーグとセリーグの人気球団では大きな差があったと言われる。
しかし、今は両リーグの観客動員も拮抗し、人気、待遇面での格差は小さくなっている。
FAは今後、特定球団への人材流出ではなく、各球団のニーズに応じた移籍へと変わっていくものと思われる。