トライアウトへの決意、千葉ロッテ・青松慶侑――「僕はまだ野球を続けたい」
今季限りで千葉ロッテから戦力外通告を受けた青松慶侑。12日のプロ野球12球団合同トライアウトを前に、今思うこととは――。
2016/11/09
千葉ロッテマリーンズ
中後が投手役に
この日、同練習所には米のアリゾナ・ダイヤモンドバックス傘下・AAAリノ・エーセズ所属の中後悠平が訪れていた。
「アメリカで最後に投げたのが9月5日だから(ブルペンで)投げるのは約2カ月ぶりなんですけどね」
そう言って中後は笑ったが、「自分がまだ野球を続けたい」という青松の心意気の熱さに共鳴したのだろう。急遽、投手役を買って出た。
中後もまた1年前のちょうどこの時期に、戦力外通告を受けた身であり、その立場は重々理解している。
「これも大事な青さんのためですから」
そう言って、明るくその場を盛り上げるように共にブルペンに入った。
中後の明るい性格は、3年ぶりにミットを構えた青松の不安を少しずつ和らげているように見えた。その後、青松は12日のトライアウトを同じく受験する右投手の吉原正平を相手に再びミットを構えると、徐々に感覚を取り戻してきたのか心地良い音を室内練習場内に響かせていた。
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