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トライアウトへの決意、千葉ロッテ・青松慶侑――「僕はまだ野球を続けたい」

今季限りで千葉ロッテから戦力外通告を受けた青松慶侑。12日のプロ野球12球団合同トライアウトを前に、今思うこととは――。

2016/11/09

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千葉ロッテマリーンズ



守備を上達させて、守備固めでも試合に出る

 1軍内野守備走塁コーチの松山秀明は彼にこんなことを話したと青松は言う。

「今すぐお前は井口や福浦のように打つだけで結果が残せるか? 違うやろ? だったら守備をもっと上手くならないとアカン。(試合)後半の守備固めでもなんでもいいからまずは試合に出て、そこから1打席でもいいから試合に出て(打撃で)結果を残すんや」

 松山の指導は的確だった。不安だった一塁の守備も徐々に解消され、試合でも守備は及第点以上の評価だった。

「打てなくても1軍に残してもらっていたのは守備も評価してもらったんだと思います」

 キャッチャーミットをファーストミットに持ち替えることで得た12年目のチャンス。数字以上の収穫が青松の中にあった。

ファームでは実績十分だからこそ

 青松への取材を通してずっと感じてきたことがある。

 それは技術論を言葉でアウトプットする能力である。細かい技術について、言っても伝わらないと端折ったりする選手が多い中、青松はそれをしないし、ときに身振り手振りを交えて、しっかり自分の言葉で丁寧に解説する。

 たとえば今季、日本中が沸いた北海道日本ハム対広島東洋カープの日本シリーズ第3戦。大谷翔平が打ったサヨナラヒットの試合翌日に青松に話を振ってみると、体のこの部分を使って、こう打ったと懇切丁寧に解説してくれた。つまり理屈は頭で分かっている。技術に関する考えも柔軟性を持っている。あとは実戦経験で体が1軍レベルに馴染んで行けばいつ爆発してもおかしくない。そんな気がしてならない。

 青松は今季、イースタンリーグでチーム最多の115試合に出場した。今年12月に30歳を迎える中堅選手が1軍で過ごすことなく、ファームで一番試合に出たというのはある意味、異常とも言えるが、その中で打率.278、本塁打13、打点57の成績は1軍の戦力として十分やっていけると思うのだが、果たして――。

 11月12日、甲子園で運命のジャッジが下される。

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