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FA糸井の獲得を目指す阪神。“ビジョンなき補強”で思い起こされる過去の失敗

フリーエージェント(FA)宣言選手の告示が締め切られた。今年の注目選手は阪神が獲得を目指すといわれている、オリックスの糸井嘉男だ。

2016/11/10

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仮に糸井が加入した場合、どのようなビジョンを描いているのか

 2016年、阪神は変わろうとした。
 金本新監督が「超変革」をテーマに掲げて、若手の育成に着手。そんな中、北條史也・原口文仁だけではなく、外野手ではルーキーの高山俊をはじめ、横田慎太郎、中谷将大、江越大賀らが今季はスタメン獲得のために争った。超変革は順調に進んだといえる。

 その中、糸井の獲得を目指すというのだ。

 糸井の力量に関しては、異論はない。
 外野手としても主軸打者としてもチームを引っ張ってくれるであろう。阪神に入団なら、1番打者としてチームに貢献してくれるに違いない。

 しかし、その影響がどう出るかは精査するべきだろう。

 いわば、どのようなビジョンで糸井の獲得を狙うかが重要になってくる。
 
 報道などでは「1番センターを用意」というのもあったが、来季の阪神の外野のうち、二つのポジションを35歳以上の選手で埋めるというのは決して前向きな話ではない。一方、福留を一塁にコンバート、あるいは、代打専門としての起用にするというのなら、理解はできる。かつてのロッテが井口資仁を二塁から一塁にコンバートした。現在は井口を代打として成功させているようなビジョンがあるなら、良い方向に進むだろう。

 現指揮官の金本を獲得したときのように、チームが前進するための補強になるのか。
 それとも、城島、小林宏の時のような事態になるのか。
 
 阪神球団のチーム作りのビジョンが問われる。

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