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即戦力として獲得した田中正義。ホークス、明確だったドラフトのビジョン

福岡ソフトバンクホークスは、今年のドラフト1巡目に田中正義を引き当てた。この2年と違い、即戦力として先発ローテーション入りが期待される。

2016/11/17

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高木遊



高橋、松本はファームで順調に育成中

 ソフトバンクの過去5年のドラフト1巡目指名は次の通りだ。

2015年 髙橋純平投手(県岐阜商高)
2014年 松本裕樹投手(盛岡大附高)
2013年 加治屋蓮投手(JR九州)
2012年 東浜巨投手(亜細亜大)
2011年 武田翔太投手(宮崎日大高)

 昨年も3球団と競合した末に高橋を引き当てたソフトバンク。ルーキーイヤーでの1軍登板とはならなかったが、ファームで確実に成長を遂げている。2年前のドラ1・松本は9月30日の楽天戦にプロ初登板を果たした。二番手で1イニングを投げ、ソロ本塁打を浴び失点するも三振も奪う初マウンドを経験した。ここ2年は高卒ということもあり、まずはファームで実戦を積み、将来のエース候補へと育てていく方針だった。高卒5年目の武田は順調に成長を遂げ、今季は14勝を挙げてチームの柱と言えるほどの活躍を見せた。

 しかし、今年の田中には即戦力としての期待がかかっている。開幕前は先発候補が余ってしまうほどだったが、シーズン半ばになれば故障者や不調により先発ローテは変動した。長いシーズンを戦い抜くために、選手層が厚いに越したことはない。高橋や松本を筆頭に若手の躍進は必要不可欠だが、すぐにでも実戦登板可能な本格派右腕の加入がチームに与える影響は大きい。春季キャンプから先輩投手陣を脅かす存在になり、相乗効果を生み出してくれることも期待したい。

 今年ドラフトにかかった大学4年生は一足先にプロで活躍する、いわゆる『大谷・藤浪世代』としても注目された。同じパリーグで対戦することになる日本ハムの大谷翔平について田中はこう話す。

「大谷くんと比較されるような選手ではないですが、同じ舞台で対決できるところまで成長したい。“田中が先発だから球場に観に行こう”と思ってもらえる魅力ある投手になりたい」

 常勝ソフトバンクの今後の鍵を握っている金の卵たち。グラウンドで躍動する姿が待ち遠しい。

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