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くじに敗れて勝負に勝つ? 競合指名選手と外れ1位選手のその後

同じドラフト1位でも競合入団と外れ1位では注目度が大きく違う。しかしプロでのスタートは横一線。外れ1位選手の下剋上でプロ入り前後の評価が逆転することも多い。

2015/01/07

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堂上を逃し、坂本を指名したジャイアンツ

 正月休みも明けて、あと1週間もすれば各球団で新人合同自主トレがスタートする。
 プロ野球選手としての第一歩、注目を集める選手は多いが、その筆頭はそれぞれ指名が競合となった日本ハムの有原航平と楽天の安楽智大だろう。同じドラフト1位指名でも抽選の末に入団した選手が、くじ引きに敗れた球団の選手、いわゆる外れ1位の選手より注目を浴びるのはよくあることだ。
 しかしプロに入ればスタートラインは横一線、その後の評価が逆転する場合も多い。
 
 競合1位の選手より外れ1位の選手が活躍するパターンとして、まず思い浮かぶのは坂本勇人と堂上直倫だろう。
 2006年当時は高校通算55本塁打を放ち超高校級のスラッガーと評された堂上が注目を集め中日、巨人、阪神の3球団競合の末に中日が交渉権を獲得したが、プロに入ってからは自慢の長打力がめっきり見られず通算本塁打はわずか9本。対して堂上を逃した巨人が指名したのが坂本勇人。2年目にはレギュラーに定着し全試合出場を果たすと、スターダムを一気に駆け上がった。その後はWBCや日米野球にも出場。人気も高く日本を代表する選手の一人になっている。
 
06年
堂上 実働7年 429試合  207安打  9本塁打 打率.222
坂本 実働8年 1009試合 1105安打 115本塁打 打率.281
 
 辻内崇伸とT-岡田も面白い。
 甲子園で1試合19奪三振を記録しMAX156キロ左腕として2005年のドラフトで最も注目を浴びていた辻内は巨人とオリックス、2球団の競合となった。途中当たりくじを勘違いしオリックスの獲得権交渉が発表される一幕もあったが、その後訂正され辻内は巨人に入団。期待は大きかった辻内は、結局度重なる怪我に泣き2013年に1軍登板0試合で球界を後にした。辻内を逃したオリックスは辻内らと並び浪速の四天王と呼ばれたT-岡田を指名。調子の波こそ大きいが2010年に33本で本塁打王を獲得、2014年も24本塁打を放つなど主砲として活躍している。たれ、れば、は禁物だが、もしあの時辻内がオリックスに入っていたら……昨年のオリックスの快進撃はあっただろうか。
 
05年
辻内  1軍出場なし
T-岡田 実働7年 600試合 557安打 94本塁打 打率.260

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