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くじに敗れて勝負に勝つ? 競合指名選手と外れ1位選手のその後

同じドラフト1位でも競合入団と外れ1位では注目度が大きく違う。しかしプロでのスタートは横一線。外れ1位選手の下剋上でプロ入り前後の評価が逆転することも多い。

2015/01/07

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外れ1位が球団の主力へ成長した89年ドラフト指名組

 少し時代をさかのぼると、82年に2球団競合の末、ヤクルトに入団した荒木大輔とその外れ1位で巨人に指名された斎藤雅樹や87年ヤクルト1位指名の長島一茂と長島を逃した大洋が指名した盛田幸妃も同じケースと言える。
 ともにヤクルトに入団し大フィーバーを巻き起こしながら通算39勝、通算11本塁打という成績に終わった前者2人に対し、斎藤は最優秀防御率3回、最多勝5回、沢村賞3回を獲得するなど通算180勝をあげて、平成の大エースと称される大活躍を見せた。盛田も入団5年目にリリーフながら14勝をあげ最優秀防御率も獲得、晩年は脳腫瘍を克服しカムバック賞を受賞するなど記憶に残る選手となった。
 
82年
荒木 実働10年 180試合 39勝49敗 防御率4.80
斎藤 実働18年 426試合 180勝 96敗 防御率2.77
87年
長島 実働7年 384試合 161安打 11本塁打 打率.210
盛田 実働14年 345試合 47勝34敗29S 防御率4.05
 
 ここまでは外れ1位選手の逆転劇を紹介してきた。しかし、もちろんこういうケースばかりではない。
 
 79年当時最多の6球団が競合した岡田彰布、3球団競合の末に西武が獲得した松坂大輔の年のように、交渉権を獲得した球団の完勝となることも少なくない。
 他にも、1年目からタイトルを総なめにした野茂秀雄(近鉄)の「ハズレ」1位で指名された佐々木主浩(大洋)や小宮山悟(ロッテ)が球界を代表する選手となった89年、アマチュアで唯一北京五輪に選出された長谷部康平に5球団が競合、楽天が獲得した長谷部含めその外れ1位である山内壮馬(中日)、篠田純平(広島)、服部泰卓(ロッテ)、平野将光(西武)の5人全員がこれまで際立った成績を残せていない07年のような珍しい例もある。
  
 アマチュア時代の実績、ファンからの期待は様々だがあくまで勝負はプロに入ってから。勝負の時はすぐそこまで近づいている。

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