桜美林大学・ドラ1佐々木千隼「やらされてやる野球ではない」――明治神宮大会初出場初優勝目指す津野監督の野球論
関東地区大学野球選手権大会決勝で上武大学を延長12回6対5で激戦を制し、初の明治神宮野球大会出場を決めた桜美林大学。今年のドラフトで注目を集めた大学屈指の好投手・佐々木千隼を中心に、全員野球で初戦14日に臨む。
2016/11/14
高木遊
選手が成長できる環境
今秋のドラフト会議で千葉ロッテが交渉権を獲得したエースの佐々木千隼もこう話す。
「やっぱりのびのびというかやらされてやる野球ではないですよね。監督さん自身も練習で何がやりたいのとか訊いてくれて、それを取り入れたりもしてくれますし、選手の気持ちを常に大事にしてくれている監督さんなので……」
横浜市長杯の準決勝が行われる前日の夜、佐々木は津野監督に中1日の先発を直談判し、そのあまりの熱意に監督が折れて、佐々木に先発を任せたというエピソードがある。こうした発言を選手側から発することができるのは互いに信頼関係を結べている証拠とも言える。監督の目指すチーム像が学生たちにも浸透してきているようだ。
さらに佐々木はこう言葉を続ける。
「高校もそういう似たようなところがあったのでいいなと思って。結局はなんでも自分でやらなきゃ伸びていかないわけですから……。自分の場合、やらされるよりは自分からやった方が好きなタイプだったのでそこも合ったのかなと思います」
自主性と放置は紙一重である。自主性ほど使い勝手のいい言葉はないし、一方で全て選手任せ。指導者は何もしてないなんてこともよくある話だ。
そこで監督に、選手にはどのようなアプローチをしているか訊いてみた。
「基本的に私は学生を見ることを大切にしています。こちら側が見ていると学生も自然とやらざるを得ないというか、やる気になるというか、他にも素晴らしい指導者の方が素晴らしい指導法をたくさんお持ちだと思いますけど、私は（学生を）どんなときでも見ることが一番大切じゃないかなって感じています」
そんな桜美林大学が明治神宮大会に登場するのは大会4日目の第4試合。初の日本一に向けて再び挑戦が始まる。