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巨人が山口俊、森福允彦のFA獲得を狙う理由【死亡遊戯コラム】

巨人が、今季FA権を行使した山口、森福の両投手にラブコールを送った。

2016/11/12

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山口、森福を獲得できれば投手陣の層に厚み

今年もストーブリーグが燃えている。

11月11日、すべての球団とのFA交渉解禁初日に各チーム積極的に動いた。
代理人ではなく、選手本人が交渉の席につくことが多い日本球界では、金銭面の条件だけでなく「印象点」も重要だ。
早いもの勝ちというわけではないが、遅いよりは早い方がいい。
自チームにどれだけ必要な戦力なのか?
楽天の星野仙一副会長は岸孝之(西武)に東北の地元愛をアピールし、阪神の金本知憲監督は糸井嘉男(オリックス)と直接会うためにキャンプ地の高知から大阪に戻る熱の入れよう。
そして、巨人の高橋由伸監督は山口俊(DeNA)と森福允彦(ソフトバンク)に直接電話でラブコールを送った。
今回は巨人が山口と森福の両獲りを狙う理由を考察してみよう。

【山口俊(DeNA)投手/29歳/8000万円】年俸は推定
19試 11勝5敗 防2.86

今季11年目で初の2ケタ勝利を記録。
138回2/3とわずかに規定投球回に届かなかったが、防御率2.86と安定したピッチングを見せた。
5完投は菅野智之と並んでリーグトップタイ、3完封もリーグトップだ。
この球界屈指のタフさを持つ山口の獲得に成功すれば、最優秀防御率と最多奪三振のタイトルに輝いたエース菅野、15年最高勝率投手マイコラス、高卒3年目で自身初の2ケタ勝利を挙げた田口麗斗が並ぶローテは、相手からしたら脅威だろう。
さらに日本ハムから移籍して来た吉川光夫、ベテランの内海哲也、大竹寛、故障からの復帰を目指す杉内俊哉、プエルトリコのウインターリーグに参加中の高木勇人、先発再転向も検討されている宮国椋丞らがローテ5~6番手を争う先発陣はリーグ屈指の顔触れと言っても過言ではない。
もちろん87年7月生まれの山口の29歳という年齢も魅力的である。
先日のドラフト会議で即戦力候補の田中正義(創価大→ソフトバンク)や佐々木千隼(桜美林大→ロッテ)を1位指名したものの、立て続けに抽選で外し獲得ならず。
来季2年契約2年目のマイコラスは、かねてからのメジャー志向も強く、いつまでチームにいるか不透明。
さらに長年巨人ブルペンを支えて来たマシソンも将来的なメジャー復帰に含みを持たせている。
FA市場で、山口のように先発やクローザー経験のある20代の日本人パワーピッチャーは貴重だ。

【森福 允彦(ソフトバンク)投手/31歳/1億2,000万円】年俸は推定
50試 2勝1敗18HP 防2.00
 
今季50試合に投げるも、投球回はわずかに27。左のワンポイントとしてマウンドに上がることがほとんどで、その起用法に不満を持ちFA宣言となった。
巨人はここ10年近く左のセットアッパーとしてチームを支えて来た山口鉄也が1勝6敗、防御率4.88と絶不調だったが、首脳陣は「左の代わりがいない」と頑なに起用し、接戦を落とし続けた。
その来季34歳の山口の代役として、巨人が狙うのが森福だ。
背番号もすでに「13」を提示。仮に獲得に成功したら、来季は山口鉄也がワンポイント、戸根千明が左の中継ぎ投手、森福とマシソンが左右のセットアッパーという起用法になる可能性が高い。
年俸1億2000万円の森福は高年俸選手が並ぶソフトバンクではCランクと見られ、人的補償がいらないのも編成的には大きい。
森福が若手時代に自主トレをともにするほど慕っていた先輩・杉内俊哉もチームに在籍しており、巨人・森福誕生は秒読みといった状況だ。

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