セの外国人選手MVPは広島のジョンソン、変わる起用方法【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は今季の外国人選手の通信簿(セリーグ編)についてだ。
2016/11/17
Getty Images
セリーグで野手の外国人選手は21人
NPBでは外国人選手は支配下登録は無制限だが、出場選手登録、つまりベンチ入りは野手、投手ともに最大3人、合計4人となっている。
ほとんどのチームは、出場選手登録枠を大きく超える外国人選手を抱えている。調子のよい選手を入れ替えて使うのが当たり前になっているのだ。
今や、NPBにとって外国人選手は不可欠の存在だ。しかしその起用法は、以前と比べれば大きく変わっている。
セリーグの現状を見ていこう。
野手の成績。RCは、安打、本塁打、盗塁、四死球、犠打犠飛などオフェンス面の成績を反映した総合指標。80を超えれば主力、100を超えればMVP級とされる。
セの野手は21人。
広島東洋カープは本塁打王もとったことがあるブラッド・エルドレッドとエクトル・ルナの2人。開幕前にジェイソン・プライディを獲得したが、一軍出場なしに終わった。年俸5000万円。
サビエル・バティスタとアレハンドロ・メヒアはドミニカのカープ・アカデミーから来た育成選手。
読売ジャイアンツは大物外国人ギャレット・ジョーンズと千葉ロッテマリーンズから移籍したクルーズ。ギャレットは当初、日本人投手の変化球に苦しんだが、後半は活躍。守備の名手クルーズは故障に泣いた。
ホセ・ガルシアとレスリー・アンダーソンはほとんど出場機会がなかった。
横浜DeNAベイスターズは巨人からきて2年目のホセ・ロペスがセの外国人最多の34本塁打。新外国人のジェイミー・ロマックが攻守で不振だったためエリアン・エレラを急きょ獲得した。
阪神タイガースは打点王もとったマウロ・ゴメスと、マット・マートンの代わりに入団したマット・ヘイグの二人だったが、ヘイグは日本人投手に対応できず早々に二軍落ちした。ペレスは出場機会はなかった。
東京ヤクルトスワローズは、NPB本塁打記録を持つウラディミール・バレンティンが復活。ハ・ジェフン(河 載勲)は、四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスから入団したユーティリティだ。
中日は新外国人ダヤン・ビシエドが春先に大活躍したが、故障もあって最後は平凡な成績に終わる。リカルド・ナニータ、アンダーソン・エルナンデスともに規定打席に達しなかった。
セリーグのRC1位はDeNA筒香嘉智の128.42、続いてヤクルト山田哲人の123.50。100以上も巨人の坂本勇人、広島の丸、鈴木誠也と5人いる。
しかし外国人の最高はヤクルト、バレンティンの82.92。物足りないというべきだろうが、以前に比べて期待度も下がっている。球団も、抜群でなくても、そこそこ働いてくれればいいという見方になっているようだ。