前SBの巽が出場選手中最速の148キロを計測、中継ぎで再起の可能性【BBC2016年トライアウト独自採点投手編】
プロ野球12球団合同トライアウトが12日に開催された。BBC恒例のトライアウト採点、今回は投手編。投手は3人の打者と対戦した。もっともアピールしたのはどの選手か――。
2016/11/15
中継ぎ・モップアップタイプ
巽真悟(ソフトバンク)
採点A 結果 四球 二ゴロ 空振り三振
評 大学時代は1試合22奪三振の記録を樹立するなどドクターKと騒がれた。プロに入ってソフトバンクの選手層にぶつかった印象だ。参加選手中最速の148キロを計測。ストレートをバンバン投げ込み、スタンドの注目を一身に浴びた。ただ、カウントを取る変化球を見せられなかった分、先発は厳しいとみる。中継ぎなら、勝ち継投にも起用できる。争奪戦になっても不思議はない。
西原圭大(広島)
採点B 結果 三ゴロ 遊失 遊失
評 手元で変化するツーシームが出色。ゴロを打たせる技術の高さは1軍で活躍できるレベルだ。モップアップからチャンスを与えたい。無死満塁をダブルプレーに抑えてくれそうなイメージで、目指すは横浜DeNAベイスターズの“便利屋”須田幸太だ。
佐藤峻一(オリックス)
採点B 結果 中飛 中飛 右前安打
評 145キロをマーク。問題なくやれる素材だ。1安打を浴びたが、インコースを突いていこうという姿勢も評価されていい。シュートを武器としているのも大きい。中継ぎでうまく起用してやれば、まだまだ生きる選手だろう。
伊藤義弘(ロッテ)
採点B 結果 右飛 遊ゴロ 右前安打
評 2010年の日本一の胴上げ投手。コーナーを突いていくコントロールとシュートは大きな武器。出場選手中で、佐藤と並んで、数少ないインコースを突いた投手だ。モップアップ専門の便利屋として置いておきたい。1イニングをしっかり抑えてくれるはずだ。
矢貫俊之(巨人)
採点B 結果 中前安打 空振り三振 遊ゴロ
評 ヒットを打たれてからの修正が見事。腕が振れ、変化球もキレがあり、経験も大きな力になってくれるはずだ。長身からの角度があるのも魅力。引退にはまだ早い。
久保裕也(DeNA)
採点B 結果 見逃し三振 安打 空振り三振
評 持ち球を出し切って3人の打者と対峙した。自分の見せ方を知っている味のあるピッチング。中継ぎなら、まだ可能性はある。ブルペンが弱い下位チームに需要がありそうだ。
鶴直人(阪神)
採点B 結果 空振り三振 二飛 遊ゴロ
評 高校時代は「ナニワの四天王」と騒がれた選手の一人。ストレートで押して打者を圧倒。腕の振りは良かったが、変化球をあまり見せなかったのはマイナスポイント。先発もできるはずだが、どれだけの変化球があるのかは分からない。
相沢晋(楽天)
採点B 結果 右前安打 併殺打 見逃し三振
評 先頭打者に安打を打たれるも、その後は、持ち味を発揮。腕の振りが鋭く、まだやれる投手というのを見せられていた。中継ぎとして期待できるが、実績がないのがネックになりそうだ。
石垣幸大(中日)
採点C 結果 四球 空振り三振 空振り三振
評 先頭打者に四球を出したものの、チェンジアップの切れがいい。ストレートの精度が上がれば、中継ぎはできる素材になる。まだ20歳と若く、まだできる。
加藤正志(楽天)
採点B 結果 内野安打 空振り三振 四球
評 右アンダーからのボールは魅力。球界には少ないタイプの出所だから需要もあるが、制球がアバウトな分、1年間を通しては未知数だ。
長田秀一郎(DeNA)
採点C 結果 空振り三振 中飛 大平
評 ストレートの勢いを取り戻したが、やや腕の振りに陰りを感じる。スライダーも曲がりが速い。経験は十分の選手だ。
萬谷康平(DeNA)
採点C 結果 一ゴロ 右飛 左前安打
評 最速149キロの面影はなく、変化球投手の印象だった。それでも、持っている限りの球を見せることはできたが、どこまで評価されるだろうか。
白仁田寛和(オリックス)
採点C 結果 左前安打 遊ゴロ 左前安打
評 素材はダルビッシュクラスとの評判で入団も、ケガに苦しんだ。球速、変化球の切れ、コントロール、すべてに課題を露呈していた。
北方悠誠(元ソフトバンク)
採点C 結果 二ゴロ 四球 投ゴロ
評 最悪の頃から考えれば上昇している印象だ。腕が振れるようになり、高校時代に近づいてきた。もう少し我慢して野球を続けてほしい。まだ、復活の可能性を感じる。
香月良太(巨人)
採点C 結果 左飛 左前安打 中前安打
評 便利屋としての位置づけの投手だが、経験以上のプラス要素を感じない。精神的にはタフな面もあるが、いろんな意味でピークは去った。
大田阿斗里(オリックス)
評価C 結果 四球 見逃し三振 中飛
評 ストレートだけではないピッチングスタイルをみせつけようという姿勢は見えたが、いかんせん、精度は高くない。むしろ、ストレートまで質を低下させている。
山口嵩之(西武)
採点C 結果 右前安打 四球 空振り三振
評 キレのある球を持ちながらも、走者を背負うと腕が振れなくなってしまう。能力を発揮できるメンタルがない。活躍は難しい。
吉原正平(ロッテ)
採点C 結果 左安打 遊直 右前安打
評 抜けのいいチェンジアップを1球見せたが、ストレートの質が悪いので、そう難しい球ではない。2安打はチェンジアップを完ぺきに捉えられたもので、球種を増やさない限り厳しいだろう。
伊藤拓郎(元DeNA)
採点C 結果 四球 左前安打 中飛
評 高校1年夏の甲子園で最速148キロを記録して騒がれたが、今や変化球投手。もともと変化球も良かったが、今はそれ以外に魅力がない。制球力も落ち、23歳とは思えない勢いで劣化を感じる。
西村憲(元阪神)
採点C 結果 左飛 四球 見逃し三振
評 投球フォームは全盛期を彷彿とさせるが、身体に鞭を打って投げている印象だ。力んでワンバウンドすることが多く、微調整が効いていない。3年連続の挑戦は評価したいが、限界は近づいている。
荻野忠寛(元ロッテ)
採点C 結果 柴田 四球 左飛 中飛
評 変速の幻惑投法が持ち味。打者を戸惑わせて打ち取っていくタイプだが、その割に制球難。結局、武器は見えなかった。