パの外国人選手MVPは日本ハムのレアード、覇権に大きく関係する助っ人の成績【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は今季の外国人選手の通信簿(パリーグ編)だ。
2016/11/19
Getty Images
貢献度の高いレアード、ウィーラー
セに続いて、パリーグの外国人選手の成績について見ていこう。
NPBでは外国人選手の支配下登録は無制限だが、出場選手登録、つまりベンチ入りは野手、投手ともに同時に最大3人まで、合計4人となっている。
ほとんどのチームは、出場選手登録枠を大きく超える外国人選手を抱えている。調子のよい選手を入れ替えて起用するのが当たり前になっている。
パでも多くの外国人選手がプレーした。
野手の成績。RCは、安打、本塁打、盗塁、四死球、犠打犠飛などオフェンス面の成績を反映した総合指標。80を超えれば主力、100を超えればMVP級とされる。
パの野手はセよりも6人少ない14人。
北海道日本ハムファイターズは、ブランドン・レアードだけ。主に6、7番を任されていた男は本塁打王に輝いた。日本ハム打線に厚みを加える大きな働きをした。
福岡ソフトバンクホークスも1人だが、ほとんど貢献できず。2015年に31本塁打をマークした李大浩の穴を埋めることができなかったことが、後半の失速の一因となった。
千葉ロッテマリーンズはアルフレド・デスパイネとヤマイコ・ナバーロ。デスパイネはまずまずだが、ナバーロは攻守ともに読売ジャイアンツに移籍したルイス・クルーズの穴を埋められなかった。
埼玉西武ライオンズのエルネスト・メヒアはレアードと本塁打王争いをした。打点では上回る。主軸打者として3年連続で活躍。今や最も信頼がおける外国人打者。
東北楽天ゴールデンイーグルスは大物メジャーリーガーのジョニー・ゴームズ、NPB史上最重量のジャフェット・アマダー、イチローのチームメイトだったカルロス・ペゲーロなど、話題性たっぷりの野手をたくさん使ったが、シーズン通してチームに貢献したのはゼラス・ウィーラーだけ。ウィーラーのRCはパの外国人1位だった。
オリックス・バファローズは、2年5億のトニ・ブランコが、ほとんど働かないまま契約満了。ブライアン・ボグセビック、ブレント・モレルも期待を裏切った。
パリーグのRC1位はソフトバンク柳田悠岐の105.63、続いて首位打者角中勝也の103.55、西武秋山翔吾の101.95。
外国人トップのウィーラーはリーグ8位。パも抜群の活躍をする野手はいなかったと言えよう。