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巨人、山口俊のFA移籍でプロテクト28名予想。人的補償で注目選手は?【死亡遊戯コラム】

1日、横浜DeNAからFAとなった山口俊投手と福岡ソフトバンクからFAとなった森福允彦が相次いで所属元球団に移籍する旨を伝達。ともに巨人入りが決定となった。

2016/12/02

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有望選手が多数

【西村健太朗/投手/31歳/13年目】
今季 27試 0勝0敗 防御率3.21 
通算 425試 38勝32敗81S 防御率3.09

12年に32セーブ(防御率1.14)、13年には球団記録の42セーブ(防御率1.13)で最多セーブのタイトルを獲得した元守護神。
この2年間で計140試合と投げまくった代償は大きく、翌14年から成績を落とし、15年は先発調整するも怪我に泣かされ、昨年9月には右肘のクリーニング手術を行った。
今季は27試合で勝敗やセーブはつかず、不完全燃焼の1年に。
まだ31歳で通算425試合登板とリリーバーとしての経験値は申し分なく、2011年シーズンには先発16試合で計93.2回を投げ、7勝5敗、防御率1.92と先発実績もある。
タイプ的にも山口俊の抜けた穴をカバーするには適任ではないだろうか。
ネックとなるのは今季1億3000万円の高額年俸。西村は今オフまだ未更改だが(編集部注:2日に7800万円で更改)、DeNA日本人選手で現在年俸1億円を超えるプレーヤーは、3億円で一発サインした筒香嘉智と36歳久保康友の2名のみ。
西村は今季限りで2年契約が終了し、恐らくダウン提示になるだろうが、12月中に行われるであろう契約更改の行方にも注目だ。

【小山雄輝/投手/28歳/6年目】
今季 9試 0勝1敗 防御率4.85 
通算 55試 8勝8敗1S 防御率2.87

【江柄子裕樹/投手/30歳/5年目】
今季 2試 0勝1敗 防御率7.27 
通算 32試 1勝5敗 防御率3.51

小山は14年に1軍16試合で先発して6勝2敗、防御率2.41の好成績を残した大型右腕だ。
今季終盤から150キロの直球とフォークボールを生かすため、2軍ではクローザーとして起用され、防御率1点台を記録。
江柄子はイースタンで9勝2敗、防御率2.15という好成績で最優秀防御率と最高勝率(.818)の二冠を獲得した。
いわばここ数年の「巨人2軍のエース級」とも言えるアラサー右腕の2人だが、年齢的にも残された時間は少ない。
大化けする可能性を秘めた投手なだけに、DeNAが即戦力を求めるなら獲得も充分に考えられる。

【中川皓太/投手/22歳/1年目】
1軍 2試 0勝0敗 防御率13.50
2軍 14試 6勝1敗 防御率2.49

【長谷川潤/投手/25歳/1年目】
1軍 3試 0勝1敗 防御率8.53
2軍 25試 7勝5敗 防御率2.77

1年目を終えたばかりの両者だが、ともに2軍では主戦投手級の働きを見せた(そして1軍でプロの洗礼を浴びた)。
どちらかと言えば、プロテクトリストは「未来」は守るものではなく、「今」を守るものだ。
じゃなければ、過去に2年目の一岡竜司(現広島)や1年目の奥村展征(現ヤクルト)が外れることはなかっただろう。
仮にDeNAも将来性重視の戦略で来るならば、この中川や長谷川、そして190センチ右腕の15年ドラフト3位与那原大剛の獲得に走る可能性もゼロではない。

【吉川大幾/内野手/24歳/6年目】
今季 50試合 打率.176 0本塁打 1打点 1盗塁
通算 131試合 打率.200 0本塁打 6打点 5盗塁

【辻東倫/内野手/22歳/4年目】
今季 15試合 打率.176 0本塁打 0打点
通算 17試合 打率.162 0本塁打 0打点

吉川大幾は巨人移籍後2シーズンで97試合に出場した内野ユーティリティープレイヤー。
その高い内野守備力には定評があり、年齢もまだ24歳だ。
辻東倫は左打ち内野手。今季イースタンでは46試合(142打席)の出場ながら打率.320を記録した。
しかし、巨人は16年ドラフト1位でアマ球界No.1内野手の吉川尚輝(中京学院大)を指名。
さらに昨季打率.304の立岡宗一郎や15年ドラフト2位重信慎之介も本職の外野に加え、秋季キャンプで二塁挑戦。
吉川大と辻の立場も1年前とは大きく変わった。
DeNAはヤクルトを自由契約となった田中浩康を獲得し、ドラフト7位でも遊撃守備に定評のある狩野行寿(平成国際大)を指名。
彼らとともに内野の底上げ要員として考えると、まだ20代前半と若い吉川大や辻は魅力的な選手だ。

【中井大介/内野手/27歳/9年目】
今季 43試合 打率.196 0本塁打 4打点 0盗塁
通算 185試合 打率.254 5本塁打 33打点 6盗塁

【藤村大介/内野手/27歳/9年目】
今季 5試合 打率.000 0本塁打 0打点 0盗塁
通算 294試合 打率.226 0本塁打 27打点 49盗塁

最後は3年前なら間違いなくプロテクトされたであろうこのコンビ。
89年組の彼らも早いもので来季プロ10年目を迎える。
ここ数年は鳴かず飛ばずで、お互い背番号も降格する来季は選手生命を懸けた1年になるだろう。
ドラ1ルーキー吉川尚輝に背番号0を譲った藤村は、11年に28盗塁でタイトルを獲得したが、この時巨人4番を打っていたのが現DeNA監督ラミレスである。
そして、ラミレスは巨人時代に中井の素質を高く買っており、09年春季キャンプでは当時19歳の中井にマンツーマンの熱血指導を行い話題となった。
果たして、ラミレス監督が自ら元同僚の再生に乗り出すのか?
巨人とDeNA、両球団間のプロテクトリストを巡る攻防戦は始まったばかりだ。

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