カープドラ1加藤拓也、個性あふれる剛腕投手――全力投球にこだわる理由
来季カープに、また一人個性的で魅力的なピッチャーがやってくる。今年、ドラフト1位指名を受けた加藤拓也(慶応大)だ。
2016/12/02
球場に見に来てもらえる選手に
そのための準備は怠らない。体幹トレーニングのメニューは丁寧に時間をかけて行い、キャッチボールも一球一球を確認するように投げている。体のケアにも余念がない。
「怪我をしないことはとても大事だと思っています。故障をしてしまうとチャンスももらえませんから」
加藤は、全力のマウンドを続けるための準備にも、全力なのである。
慶応大1年から140キロ台後半の速球で注目を集めてきた。落差の大きいフォークで三振も奪えるピッチングは破壊力抜群である。この9月には、東京六大学野球で史上24人目のノーヒットノーランも達成した。
25年ぶりリーグ優勝に沸く広島にやってきたのは、個性的な剛腕投手だった。ただ、この男には、豪快さと繊細さを併せ持つ強みがある。
「僕自身、プロ野球を見てきていろんなタイプのピッチャーがいるから面白いと思っていました。万人受けするかどうかはわかりませんが、僕を見に球場に来てもらえるような選手になりたいです」
優勝パレードに祝賀行事、広島の興奮はまだまださめない。まもなく、この町に、個性あふれる剛腕投手がやってくる。先発かリリーフか、もちろんカープのチーム内競争を戦うことにはなるが、球春に強烈な印象を残してくれることは間違いなさそうである。
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