巨人の切り札になれるか? 亀井善行、片岡治大「崖っぷち30代野手」の来季【死亡遊戯コラム】
世代交代急務の巨人だが、巻き返しを図る上でベテラン選手の存在感は必要だ。今季怪我などもあり、不本意な成績に終わった亀井善行、片岡治大らはそれぞれの場所で役割が求められる。
2016/11/26
長期離脱で今季は仕事果たせず
<片岡治大 内野手/33歳/巨人移籍3年目>
15年 113試合 打率.244 10本塁打 36打点 21盗塁 OPS.673
↓
16年 32試合 打率.222 2本塁打 4打点 4盗塁 OPS.609
契約更改 推定6000万円(2600万円減)
同じく背番号8も度重なる故障に泣かされた。
5月と6月に下半身の張りで抹消、1軍復帰は9月初旬と2カ月以上かかり、9月10日には左手有鉤骨の骨折で今季絶望。プロ入り以来最低のわずか32試合の出場で、契約更改でも減額制限(25%)を超える大幅ダウンでサイン。
元4年連続の盗塁王とスピードが武器な選手なだけに下半身の故障は致命的だった。
昨オフは千葉ロッテマリーンズから二塁手のルイス・クルーズ獲得、今年のドラフトでは「アマ球界No.1遊撃手」吉川尚輝(中京学院大)を1位指名。ショートには坂本がいるため、この吉川は二塁起用が濃厚である。
さらに15年ドラ2外野手の重信慎之介が秋季キャンプで二塁挑戦(重信は早大1年時まで内野手)。
そして、今季1軍27試合で打率.256を記録した山本泰寛は同期の重信とともに台湾ウインターリーグに飛び立った。
チームとしても95年生まれのドラ1吉川、93年生まれの重信と山本ら若手でセカンドを競わせ、ショート坂本と組む二遊間を次世代のチームの柱にしたいという思惑があるはずだ。
恐らく、片岡は代打だけではなく、クルーズや若手の守備固め起用も増えるだろう。
なにより鈴木尚広に代わる代走の切り札は実績や経験値からも、片岡が適任ではないだろうか。
今季の巨人が度々指摘された「選手層の薄さ」の最大の要因は、あらゆる起用法に対応可能な亀井と片岡の長期離脱にあったように思う。
もちろん誰だって年は取る。30代中盤になると疲労回復も遅れがち。彼らも全盛期の頃のような不動のレギュラーというわけにはいかないだろう。
だが、一時期の高橋由伸と井端弘和が勝負どころのジョーカーとして君臨したように、2017年は亀井善行と片岡治大に「巨人の切り札」として、もう一花咲かせてもらいたいものだ。