DeNAが獲得、世界一カブス在籍のパットンは外野も守れる?「新しく学ぶことは常にある。日本が楽しみ」
11月23日、横浜DeNAベイスターズは今季までのワールドチャンピオンに輝いたシカゴ・カブスに在籍していたスペンサー・パットンの獲得を発表した。
2016/12/01
武器はスライダー
11月23日、横浜DeNAベイスターズはスペンサー・パットンの獲得を発表した。それに先立って報じたスポーツ紙が「世界一カブス」と見出しに記したとおり、パットンは2016年にカブスで投げた。
ポストシーズンのロースターには入れなかったが、パットンはレギュラーシーズン中にAAAから5度昇格し、16登板で21回1/3を投げ、1勝1敗1ホールド、防御率5.48を記録した。一方、AAAでは35登板して36回を投げ、1勝0敗11セーブ、防御率0.75の成績を残した。セーブ失敗は1度しかなかった。
メジャーとAAAの防御率には極端な差がある。ただ、奪三振率に関しては、AAAの14.75ほどではないとはいえ、メジャーでも9.28と悪くなかった。ロイヤルズとレンジャーズに在籍した前年までを含めると、マイナー通算(2011~16年)の奪三振率は12.51、メジャー通算(2014~16年)は9.55だ。
パットンは速球とスライダーを主体とし、チェンジアップを時折交える。『ファングラフス』に掲載されているPITCHf/xのデータによると、2016年のメジャーでの投球割合は、フォーシームが57.2%、ツーシームが7.4%、スライダーが29.7%、チェンジアップが5.6%だった。
フォーシームの平均球速は92.3マイルで、最速でも94.6マイルとそれほど速くない。パットンの最大の武器はスライダーだ。打者がスイングした時のコンタクト率は、フォーシーム、ツーシーム、チェンジアップの各77%以上に対し、スライダーは10%以上も低い66.7%だった。言い換えれば、スライダーは空振り率33.3%を記録した。
ナリーグで救援20イニング以上を投げ、スライダーが投球の25%以上を占めた投手は64人いた。そのなかで、パットンのスライダー空振り率は、真ん中より少し上の30~32位(同率3人)に位置する。突出してはいないものの、スライダーはメジャーで通用するレベルと言えよう。
パットンがメジャーに定着できなかった理由の一つは、制球難だ。2016年にボールと判定されたスライダーは34.5%だったが、他の球種はどれも40%を超えた。その結果、与四球率は5.91に達した。2者続けて歩かせたことも2度あり、うち1度は押し出しで失点した。
AAAの与四球率3.75もそれほど良くはないが、これ以下にとどめられれば、日本で好成績を残すことは可能だろう。来シーズンは29歳の働き盛りだ。監督と英語で話せることも、プラス材料に挙げられる。パットンはツイッターに「新しく学ぶことは常にある。日本でプレーするだけでなく、成長するため、この機会を楽しみにしている。もうすぐ行くからヨコハマ!」と書いている。