元インディアンス村田透、6年ぶり日本球界復帰が意味するもの――「不作」と称された世代の再挑戦
元インディアンスの右腕・村田透が6年ぶりに日本球界へと復帰する。移籍先は北海道日本ハムファイターズだ。
2016/12/09
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日本で戦力外を受けた男が、再び日本へ
もっとも、一筋縄ではいかないことも多かったが、以前に「言葉は分からなくても何とかなるんですよ」と簡単にいってしまう村田には、生きる力さえ感じたものだ。
昨季1試合のメジャーデビューを果たしたのは、彼の挑戦する想いの深さがあってのものだろう。
そんな村田が日本球界に復帰することで、何をもたらすのかは非常に興味深い。
村田は日本の1軍での登板経験がない。日本で戦力外を通告された選手が、MLB傘下のチームにその身一つで挑戦して、そこでの実績や内容を再び、日本の球団に評価されて入団とするというプロセスは、意義のあることだ。
もし、彼が先発投手として2ケタ勝利を収めるようなことが起きれば、それは物凄いストーリーの完成といえよう。
来年で32歳になる村田の同世代は、多くの選手が球界を去っている。
なかでも驚きは、彼が大学時代に「BIG3」と騒がれた大場翔太(元中日ドラゴンズ)、長谷部康平(元東北楽天ゴールデンイーグルス)、加藤幹典(元東京ヤクルトスワローズ)がすでに戦力外となってしまったことだ。実は、彼らの世代は「不作」と言われており、これに関して村田自身も想いを持っていたのだ。大学時代の取材ノートを読み返すと、こんな言葉だった。
「大学の代表合宿に行ったときに、大場(翔太)と会ったんですけど、その時に、俺たちの世代しょぼくない?って話を大場がしていたんですよ。僕らの世代って高校の時から、あまり目玉の選手っていないですよね。大学では大場が中心になると思うんですけど、いつか、“村田世代”って呼ばれるように頑張りたいなと思います」