日本版・仮想シルバースラッガー賞を予想。パはやはり大谷翔平の投手、DHでのダブル受賞【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回はもしもNPBにシルバースラッガー賞があれば誰が受賞していたかを予想したい。
2016/12/05
Getty Images
一塁手の選出は悩みどころ
MLBでは、1957年にポジションごとに最も守備の良い選手を選出する「ゴールドグラブ賞」が制定された。そして、1980年にはポジションごとに最も打撃の良い選手を選出する「シルバースラッガー賞」も制定された。
しかしNPBのように、攻守の総合評価である「ベストナイン」という形での表彰はない(シルバースラッガー賞は投手も選出されるが、その選考基準は打撃成績だ)。
もし日本にもシルバースラッガー賞があったとすれば、誰が選ばれるだろうか?
シミュレーションをしてみよう。
各球団のそのポジションでの最多出場選手、規定試合数以上出場した選手の打撃成績。打撃は他のポジションで出場した成績も含む。データの太字はリーグ最多。赤字はそのポジションでの1位。
データにはその守備位置での出場試合数=守備も入れた。どんなに打撃成績が良くても、その守備位置での出場試合数が少なければシルバースラッガーにふさわしいとは言えないからだ。守備のえんじ色は守備成績での規定試合数以上。MLBでは指名打者制を敷いているアリーグは投手の代わりにDHを選出するが、今回は投手も含めて選出してみた。
Gは今季のゴールデングラブ賞。Bは、ベストナイン。
安打数順に並べた。
今回はパリーグだ。まずは内野手から見てみよう。
一塁手は激戦区だ。北海道日本ハムファイターズの中田翔は優勝チームの主軸であり、打点王も獲得した一方、打率が低い。
福岡ソフトバンクホークス内川聖一、埼玉西武ライオンズのエルネスト・メヒアはともに100打点を超えている。メヒアは本塁打、OPSでも1位。
悩ましいところだが、打率、安打トップの内川とした。
二塁手は西武の浅村栄斗が主要指標でトップ。文句なしだろう。
三塁手は日本ハムのブランドン・レアードとソフトバンク松田宣浩の争いだが、本塁打王レアードで間違いないと思われる。
遊撃手は守備の評価が高いソフトバンク今宮健太が、10本塁打もしているが、総合的には千葉ロッテマリーンズの鈴木大地と見た。