異例、1年前に大谷翔平のメジャー移籍容認を公表した日本ハム3つの狙い。NPBへのプレッシャーにも
大谷翔平は5日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、その席上で早ければ17年シーズン終了後にポスティングシステムでのメジャー挑戦を球団から容認されたと明かした。
2016/12/06
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ポスティングシステム改正か、NPBへの意思表示にも
2つ目に、その譲渡金についても、日本ハム側にすれば上限を撤廃するなど、もっと欲しいというのが本音だろう。
かつて西武・松坂は約5100万ドル(当時約60億円)、ダルビッシュは史上最高額の5170万ドル(当時約40億円)の譲渡金(当時は入札金)が所属球団に入った。大谷の選手としての価値は、当時の前者2人より上だろう。2000万ドルでは安いわけだ。
田中将大がヤンキースに移籍した13年12月に改訂された現在のポスティングシステムは、今年5月に新たに1年間延長された。契約終了の10月31日の180日前までに、日米どちらかから申し出がなければ、毎年自動延長されることになっている。
来オフに待つ大谷移籍狂騒曲に備え、現システムの改正を申し出るのか、否か。最終的な判断は日本プロ野球機構(NPB)が下すわけだが、来オフの挑戦を早々と宣言することで、NPBにもプレッシャーをかけられる。日本ハムの本気度を切実に訴えたわけだ。
3つ目にファンも日本での勇姿はしばらく見られなくなるわけで、来季の応援には熱が入るだろう。見納めとなれば、来季の観客動員には好影響。メジャーでも二刀流を続けるかどうかは不透明で、もしかしたら打者・大谷の打席は最後になるかもしれない。
花巻東高3年時、ドラフト会議前には「メジャー1本」と進路希望を明言し、NPB球団からの指名はお断りと態度を表明した。「二刀流」起用を軸に強行指名した日本ハム入りし、二本の刀を世界屈指の名刀に磨き上げてきた。5年間の修行を経て、いよいよ憧れの夢舞台に大谷が上がる。