日本版シルバースラッガー賞を予想。セは巨人と広島から最多選出に【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回はもしもNPBにシルバースラッガー賞があれば誰が受賞していたかを予想したい。
2016/12/11
Getty Images
二塁手は打撃の数値だけ見れば山田に軍配
MLBでは、1957年にポジションごとに最も守備の良い選手を選出する「ゴールドグラブ賞」が制定された。そして、1980年にはポジションごとに最も打撃の良い選手を選出する「シルバースラッガー賞」も制定された。
しかしNPBのように、攻守の総合評価である「ベストナイン」という形での表彰はない(シルバースラッガー賞のナリーグはDHではなく、投手が選出されるが、その選考基準は打撃成績だ)。
もし日本にもシルバースラッガー賞があったとすれば、誰が選ばれるだろうか?
シミュレーションをしてみよう。
各球団のそのポジションでの最多出場選手、規定試合数以上出場した選手の打撃成績。打撃は他のポジションで出場した成績も含む。データの太字はリーグ最多。赤字はそのポジションでの1位。
データにはその守備位置での出場試合数=守備も入れた。どんなに打撃成績が良くても、その守備位置での出場試合数が少なければシルバースラッガーにふさわしいとは言えないからだ。守備のえんじ色は守備成績での規定試合数以上。
Gは今季のゴールデングラブ賞。Bは、ベストナイン。
安打数順に並べた。なお、実際のMLBのシルバースラッガー賞とは算出基準は異なる。
まずは内野手から見てみよう。
一塁手は、ゴールデングラブ賞で選出されたのが横浜DeNAベイスターズのホセ・ロペス。しかし打撃成績で見れば広島東洋カープの新井貴浩が当確。100打点超えも大きい。
二塁手は、広島の菊池涼介が守備に加え最多安打のタイトルも獲得したが、トリプルスリーの東京ヤクルトスワローズ・山田哲人は打撃の数字を見れば、外せない。
三塁手は打撃の総合成績で読売ジャイアンツ・村田修一が文句なしの当確。遊撃手も首位打者の巨人・坂本勇人で決まりだろう。
次に外野手と捕手の各部門を見てみよう。
外野手は票が割れる。打撃二冠王のDeNA筒香嘉智は外せないとして、次の来るのは打率2位の広島、鈴木誠也、最後の1つは中日ドラゴンズの大島洋平、広島の丸佳浩、阪神タイガースの福留孝介の争いだろうが、出塁率が高く、OPSで大島を大きく上回る丸とした。