年末年始で感じた、気になるドラゴンズの〝発信力不足〟
中日ドラゴンズは恵まれたメディア環境にあるが、果たして十分に活かしきれているのだろうか。年末年始を名古屋で過ごした筆者は、残念ながら〝発信力不足〟を感じざるを得なかった。
2015/01/08
公式サイトで、メディア情報の充実を
ここ数年、ドラゴンズ応援番組が格段に減っているわけではない。
また、選手は年末年始も精力的にさまざまなイベントなどに出演しており、人気選手ほど多忙だったとはず。中日新聞、中日スポーツもあるわけで、ドラゴンズやドラゴンズファンは、とても恵まれたメディア環境にある。ただ、発信力が足りない。
ホテルやショッピングセンターでのトークショーは、現地に足を運ぶ熱心なファンには届いても、遠くにいる浅いファンには届かない。何より、1月4日にあった高橋周平のトークイベント情報を僕が知ることができなかったことに軽くショックを受けた。中日スポーツもちゃんと読んでいるのに……。(公式サイトのイベント情報は12月1日にアップされていたが、そこにたどりつくファンは少ないのではないだろうか)
ドラゴンズは恵まれたメディア環境を生かしきれていないのではないか。また、印象に残る、話題になるようなメディアでの活躍がない。「野球選手は野球だけやっていればいいんだ」という方もいるかもしれないが、ぶっきらぼうに見える落合博満GMだって現役時代はシーズンオフにメディアに出まくっていた。
録画しておいた番組を見直すと、年末年始のドラゴンズの発信力MVPは大野雄大だろう。抜群のキャラクターとパフォーマンスだった。各球団の人気者が顔を揃える『プロ野球No.1決定戦 バトルスタジアム』でも、キチンと爪痕を残したのはエライ。
敢闘賞は平田良介と祖父江大輔。平田はあちこちの番組に出演し、新たな〝ドラゴンズの顔〟としての自覚を持った発信を行っていた。
祖父江は、プレー中は鋭すぎる顔つきをしているのに、番組では意外な陽気な面を発揮していて良かった。そうそう、特番ではこういうのが見たい。逆に高橋周平には、もっと頑張ってほしかった。
もうひとつ、気になったのは谷繁兼任監督や落合GM、森繁和ヘッドコーチら首脳陣の出演の少なさです。谷繁監督はシーズン終了後からメディアには頻繁に登場していたが、年始にじっくりドラゴンズについて語る企画がなかったのは残念。落合GM、森ヘッドコーチの姿は、年末年始、まったくメディアで目にすることはなかった。
ひとつ、光明があるとしたら、今年引退して広報に就任した小林正人氏の存在である。広島では元選手の比嘉寿光氏が広報に就任して以来、とかく選手のメディア露出が増えたと聞く。現場の選手とメディア、両方のことがわかる人物が橋渡しをしたおかげだが、同じことが小林氏にも期待される。寡黙なプレースタイルとは裏腹に、小林氏は人当たりが良く、とても弁が立つ。小林氏の広報就任は落合GMの推薦だというが、この抜擢に期待したい。
また、ドラゴンズの発信力不足は、選手を登場させるメディアにも責任がある(その末端にいる僕の責任もある)。なお一層工夫を凝らして、ドラゴンズに関する情報を届けていかなければならない。僕もいろいろ仕掛けていかなければと考えているところだ。