落合GM「今までにないタイプの二番打者に」。中日・石岡諒太がウインターリーグで見せた2017年への希望
2015年ドラフト6位で中日ドラゴンズに入団した石岡諒太。来季、この男のプレーにぜひ注目したい。
2016/12/18
横尾弘一
1年目はいきなり出遅れも非凡なセンスを披露
187cm・90kgというボディ・サイズは、このオフにオリックス・バファローズから阪神タイガースへ移籍した糸井嘉男とほぼ同じ。しかも、長打力を秘めた打撃、打球判断とスローイングに優れた守備、アグレッシブな走塁と、潜在能力に恵まれている点でも大きな期待を抱かせる。2015年ドラフト6位で入団したルーキーの石岡諒太は、来季の中日ドラゴンズが逆襲できるか否かの大きなカギを握る存在だ。
エースに岡本 健(現・福岡ソフトバンクホークス)を擁した神戸国際大附高では、大型リードオフとして2年秋の近畿大会で優勝に貢献。優勝候補の一角に挙げられた翌春の甲子園は帝京高に一回戦で敗れたが、JR東日本へ入社すると1年目の都市対抗で優勝し、福留孝介(現・阪神)以来、高校出ルーキーで若獅子賞を手にする。
3年目の2013年には日本代表にも選出され、プロ入りは確実と評される。しかし、意外にもドラフト指名はなく、翌2014年も思いを寄せるプロからはフラれてしまう。
それでも、視察を続けていた落合博満GMは、こう言って石岡を高く評価した。
「ファーストの守備力は、12球団でもトップクラスになる。バントも上手いし、打撃フォームさえ固まれば、今までにないタイプの二番打者になれる」
そうしてプロの扉を開いたが、新人合同自主トレで腰痛を発症し、診断の結果は椎間板ヘルニア。不安なくプレーできるよう、思い切って手術を受け、春季キャンプを全休する。
プロ野球人生のマラソン・レースでは、スタート直後から派手に転んでしまった。ただ、入院やリハビリを経て5月20日、ウエスタンリーグの広島戦に二番・指名打者でデビューすると、3安打を放って非凡なセンスを披露。その後は、キャンプを経験していない分、無理はさせないという方針で目立つ数字こそ残せなかったが、冒頭に書いた能力を備えていることを十二分にアピールする。