山口、森福、陽らFA3選手獲得になれば……大補強敢行年のジャイアンツの成績を振り返る
山口と森福の争奪戦を制し、吉川光、マギーらも加える等例年になく積極的な補強が目立つジャイアンツ。過去には補強の成果に見合わない成績に終わった年も多かったが、08、12年のVはオフの補強なしでは語れない。
2016/12/13
今オフは球団初FA3選手獲得か?
今年のストーブリーグで最も精力的に動いている球団が読売ジャイアンツなのは間違いないだろう。11月2日に日本ハムとのトレードで12年パリーグMVPの吉川光夫を獲得したのを皮切りに、FAでは横浜DeNAベイスターズの山口俊と福岡ソフトバンクホークスの森福允彦を両獲り。北海道日本ハムファイターズからFAとなっている陽岱鋼もジャイアンツ入りが決定的と見られている。外国人でも複数球団との競合を制し、元東北楽天ゴールデンイーグルスのケーシー・マギーと合意、さらにクローザー候補として新たな外国人投手を獲得するという噂まで出ている。
FA制度が始まって以来、ジャイアンツが一年に2人のFA選手を獲得したケースは過去に7度あるが、3人となれば球団史上初。今年の大補強ぶりは球団史でも有数のものであり、来シーズンのチームが大きく変わるのは間違いない。オフシーズンは例年球界の中心となって騒がせてきたジャイアンツだが、過去に大補強を敢行した年の成績はどうなったのだろうか?
近年最も注目を集めたのは2012年だろう。
2008年から11年まで4年連続で新人王を輩出、FA選手の獲得は4年間で藤井秀悟のみと、当時は「育成の巨人」とも謳われたが、中日にV2を許した11年オフは久しぶりに札束攻勢が復活。その年日本一に輝いたソフトバンクからFAした杉内俊哉を超巨額契約で射止めると、最多勝投手(19勝)のデニス・ホールトンも獲得した。野手では横浜の主砲・村田修一を獲得、わずか1年でタイトルホルダー3人を手に入れた。
シーズンでは村田こそ.252、12本と期待外れの成績に終わったものの、杉内とホールトンは共に12勝をあげ、3年ぶりのリーグ制覇に貢献。新助っ人スコット・マシソンの活躍も目立った。ホールトンは翌年も9勝したがその年限りで退団、杉内は加入後5年間で39勝、村田も5年間で95本塁打とトータルで見て額面通りの活躍とは言えないが、この大補強が以降の3連覇の支えとなったのは間違いない。