カープ・ドラフト3位、中部学院大・床田寛樹がプロを明確に目指すと誓った日――「今永さんのような選手に勝ちたい」
広島東洋カープドラフト3位で入団するのが、中部学院大・床田寛樹だ。
2016/12/14
尾関雄一朗
球速ではなく、球質で勝負
子どもの頃から、プロ野球選手が夢だった。しかし、その気持ちを確固たるものにする出来事もあった。大学2年の秋、明治神宮大会での駒澤大との試合だった。のちに横浜DeNAベイスターズに入団し1年目から8勝を挙げる今永昇太と投げ合った。このとき、床田のハートに新たな気持ちが芽生えた。
「こういう選手がプロになるのだろう。こういう人に勝てるようになりたい。その先に(次の)ステージがあるのだろうと思いました」
球速だけではない。空振りの奪えるストレートに衝撃を受けた。球の質なのである。
「僕はシュート回転するので、球速は速くても打たれていました。しっかりスピンをかけて伸びのあるボールを投げられるようにしたいと思いました」
あまりに多くのことを吸収した4年間だった。中部学院大はユニフォームも赤が基調なら、アルファベットのCのマークも入っている。「それだけにすんなりチームに入っていけるでしょう」と原監督も目を細める。
次なる舞台はプロ野球だ。これだけ成長できる男が、プロの環境でどれだけ進化するのか、想像するだけでも楽しみは尽きない。
「まだまだ細い。プロの世界でおいしいご飯を食べれば、もっといい球を投げられるようになるでしょう」(原監督)
指導者は次なるのびしろに思いを馳せながら、教え子をプロの世界に送り出す。