球界を代表する二塁手・山田哲人と菊池涼介、プレースタイルは好対照【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は球界を代表する二塁手の山田哲人と菊池涼介だ。
2016/12/16
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どちらもプロ入り数年で頭角を現す
今季の東京ヤクルトスワローズは、前年とはうって変わって下位に低迷した。昨年活躍した選手の多くも成績を落としたが、そんななかで山田哲人は史上初の「2年連続トリプルスリー」を達成。一人気を吐いた。
ベストナインの二塁手は順当に山田が選ばれたものの、守備の良い選手が選ばれるゴールデングラブは広島東洋カープの菊池涼介に軍配が上がった。
さらに菊池は最多安打のタイトルを獲得し、攻守において広島優勝の立役者の一人となった。
まだ若い2人の二塁手は、これからも長くライバルとして競うだろう。その二人は、いろいろな意味で対照的な選手で、興味深い。
まずは基本的な情報と通算成績を見てみたい。OPSは出塁率+長打率 打撃の総合指標。
菊池は早生まれなので、山田よりも3学年上となる。プロ入りは菊池が大卒、山田は高卒なので山田が1年早い。
身長は球団公式情報によれば、山田が9センチ高い。スラッガーとして山田は大柄とは言えないものの、菊池はさらに小兵であることがわかる。
ドラフト入団は菊池が2巡目、山田が1巡目だ。山田は早稲田大の斎藤佑樹(北海道日本ハムファイターズ)、八戸大の塩見貴洋(東北楽天ゴールデンイーグルス)の外れ外れ1位だった。
大卒の菊池は1年目から63試合に出場、2年目には141試合出場で、規定打席に達した。一方の高卒の山田は1年目は一軍出場なかったが、2年目にはすでに26試合に出場、高卒としては順調な歩みを見せた。
このため全般的な数字は菊池のほうが上だが、山田はスラッガーとして急成長したので本塁打、打点などは山田が上回っている。?