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黒田、三浦、サブローら……2016シーズンで現役を引退した選手たち

偉大な記録を残し、いくつもの記憶をファンの胸に焼きつけた……今季で現役生活にピリオドを打った選手たちを紹介する。

2016/12/19

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日米を席巻した黒田、横浜一筋の三浦らが現役に別れ

 まずは投手から見てみよう。生涯成績は以下の通りだ。

◆今季で現役を引退した主な投手
*1 黒田の成績は日米通算
*2 ()内は最終在籍球団

黒田博樹(広島)533試合 203勝184敗 防御率3.51
三浦大輔(DeNA)535試合 172勝184敗 防御率3.60
福原忍(阪神)595試合 83勝104敗 防御率3.49
新垣渚(ヤクルト)172試合 64勝64敗 防御率3.99
武田勝(日本ハム)244試合 82勝61敗 防御率3.02
小松聖(オリックス)159試合 25勝26敗 防御率4.38

 96年ドラフト2位で広島に入団し、07年オフにメジャー移籍するまでの11年間で6度の2ケタ勝利を達成した黒田博樹。08年のロサンゼルス・ドジャース1年目は9勝10敗。ニューヨーク・ヤンキースに移籍した1年目の12年には16勝11敗という好成績を挙げ、メジャー通算成績は79勝79敗の5分だ。

 昨季、8年ぶりに広島東洋カープに復帰。海を渡る前は速球を武器にしていた男が、ツーシームという球種を操るようになった。左打者の内角ボールゾーンからストライクゾーンへシュートする「フロントドア」と呼ばれる技法でファンを魅了。また、左打者の外角ボールゾーンからストライクゾーンへスライダーを投げ込む「バックドア」も駆使した。

 古巣復帰1年目は11勝8敗、防御率2.55という好結果を残した。
 今季も10勝8敗、防御率3.09で、チームの25年ぶりリーグ制覇に貢献。今季限りでの引退をファンは惜しんだ。マツダスタジアムでの優勝報告会ではチームメイトから胴上げされると、その後マウンドへ。背番号15は「クロダコール」を一身に浴び、万感の思いに浸っていた。

 黒田の1学年上の三浦大輔は、91年ドラフト6位で横浜大洋ホエールズに入団。横浜一筋25年間の通算成績は172勝184敗。Bクラスの常連だったチームを支え続け、05年には最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得している。

 チームとして唯一頂点に立ったのが98年。18年前の日本一を知る最後の選手だった三浦の引退登板は、雨の中、6回1/3を投げて10失点という結果だった。それでも、最後の横浜スタジアムのマウンドで全力投球を貫いた三浦。“ハマの番長”は最後まで打たれ強かった。

 タテジマのユニフォームを18年間着続けた男がいる。阪神タイガースの中継ぎエース福原忍だ。14、15年と2年連続で最優秀中継ぎ投手に輝き、昨季まで5年連続で50試合に登板したタフネス右腕は、引退試合となった10月1日の読売ジャイアンツ戦で甲子園のファンに別れを告げた。

 甲子園が最後の登板になったのは福原だけではない。11月12日に行われた12球団合同トライアウト(甲子園)が新垣渚の現役最後のマウンドとなった。

 02年に自由獲得枠で福岡ダイエーホークスに入団し、速球とスライダーを武器に04年には奪三振王に輝いた。14年途中には東京ヤクルトスワローズに移籍したが、新天地での3年間でわずか4勝しか挙げられずに今オフ戦力外通告。トライアウト後、希望していたNPB球団からのオファーは届かなかった。98年、夏の甲子園で151キロを記録した沖縄の星は、かつて輝いた場所で静かにユニフォームを脱いだ。

 チームメイトに「俺のために優勝しろ」というメッセージを残し、現役を退いた武田勝。北海道日本ハムファイターズに11年間在籍し、通算82勝を挙げた。入団1年目の06年は日本シリーズ第3戦に登板して勝利投手に。日本一に貢献した。09年から4年連続での2ケタ勝利は、左腕投手では球団史上初という記録だ。来季は独立リーグ「ルートインBCリーグ」石川ミリオンスターズの総合コーチとして指導することが決まっている。

 2年目の08年、15勝(3敗)を挙げて新人王を獲得した小松聖も現役を引退。オリックス・バファローズで10年間プレーしたが、この年の成績が小松のキャリアハイとなってしまった。翌09年にはWBCの日本代表にも選ばれ、順調なプロ生活を歩むかと思えたが苦戦。13年から4年連続で1軍未勝利に終わった。お立ち台での雄叫びで人気を博した男が、現役生活に別れを告げた。

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