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楽天・茂木、新人王逃すもチームトップの打率。球団初フルイニング出場を目指し、球界を代表する遊撃手へ【2016年ブレイク選手】

今季下位に低迷した楽天にとっての光はルーキー・茂木の活躍だった。

2016/12/17

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真摯に取り組み、一つずつステップアップ

 プロ野球は、かつてやんちゃの集まりと言われた。
 我が強い人間の方が、プロの厳しい世界を生き残っていくためには必要とされた時代はあったが、今になってはそれは変わりつつある。人生を長いスパンで考えたときに生き残っていくのは、人として評価されていく人間であることはここ数年、活躍している選手たちが証明している。

 2015年にシーズン最多安打の日本記録を樹立した埼玉西武ライオンズの秋山翔吾はまさにそのタイプの選手だった。決して器用なタイプとは言えないが、野球に真摯に取り組み、練習を積み重ねて今の地位を確立した。

 福岡ソフトバンクホークスの今宮健太、日本ハムの中島卓也ら名選手ひしめくパリーグのショートストップで2度目のベストナインを獲得した千葉ロッテマリーンズの鈴木大地もしかりだ。2014年から若くしてチームキャプテンを務めているのもその人間性を評価されているからだ。鈴木といえば、茂木の高校の先輩に当たる。打席に入る際に球審にお辞儀をする茂木の振る舞いは、尊敬する鈴木を意識してやり始めたとも聞く。

 リーグトップの失策数はこれから課題にはなるが、人にはそれぞれの成長スピードというものがある。特にまじめな性格の選手は一つずつ階段を上っていくケースが多く、ある時を境にガラっと変わる時が来る。

 パリーグの新人王は15票差で敗れて涙をのんだ。
 しかし、シーズン中から茂木は個人的な成績にはほとんど興味をしておらず、この結果に落ち込む気配はない。それより茂木が目指しているのは「フルイニング出場」だ。

 楽天は球団創設以来、全試合出場選手はいてもフルイニング出場は一人もいない。茂木がそれを知っているか否かはともかく「フルイニング出場ができれば、おのずと成績は上がっていく」と意気込んでいるという。

 今も、オフとはいえ、彼は野球に真摯に向き合いバットを振っているはずだ。
 2016年はあくまで序章にすぎない。長い野球人生には停滞するときもあるが、彼の取り組む姿勢がある限り、階段を上り続けていくだろう。そして、いずれは球界を代表する選手に成長していくような気がしてならない。

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