“おかわり2世”西武・山川穂高、持ち前の長打力が開花した背景。2017年は「下位にいると怖いと思われる打者に」【2016年ブレイク選手】
ライオンズはここ数年、レギュラーと控えの力の差が顕著だ。若手の台頭を望む声が上がる中、今季そのきっかけを掴んだ選手がいる。山川穂高だ。
2016/12/19
中軸を脅かす存在になれるか
山川はこのときの手ごたえをこう語っている。
「2軍での打席の技術、精神状態が1軍でも出せているというのが1番大きいですね。どこか自分に自信を持てていなかったのが、今はそれを持って打席に入れる。1軍と2軍でボールが違うのは当然ですけど、以前までは1軍のボールを見て、打てるかな?と思ってしまったことがあったんですが、いまは打てるという自信が持てる。それが一番大きいことかなと思います」
結局、メンタルの問題になるのだが、チームが下位に低迷したことで、その場が与えられ、山川はメキメキと力を発揮できるようになったという意味なのだろう。冒頭に紹介した2軍では成績が変わっていないとする言葉は、彼がずっと持っていた自信と今一つ打ち破り切れない悩みのジレンマを表していたのである
もっとも、今季の成績だけで壁を乗り越えたとは、決して言い切れない。
一方で、山川自身の中に変わったものが生まれたのは間違いないだろう。
「これまでの自分というのは味方と戦っていたと思うんです。戦うべきは相手のピッチャーであり、ピッチャーが投げるボール。それなのに、打てなかった後の自分の立場ばかりを考えてしまっていた。その心の持ち方を上手くできるようになってきました。打っても打てなくても、明日のことを考えないで向かって行く。それだけを考えているのがいいのかなと。下位打線に2ケタ本塁打を打つ選手がいたら相手も嫌だと思うので、まずはそこからですね。下位にいて怖い打者を確立していきたい」
来季は山川にとって大事なシーズンになる。
シーズン当初こそ、山川が言うように「下位打線にいると怖い打者」でよいと思うがいずれは、中村やエルネスト・メヒアにとって代わる選手にならなければならない。
将来、中村が引退や仮に移籍してからレギュラーをつかむようでは、彼はそれほどの選手にはならないだろう。中村を押しのけるくらいの気持ちで、2017年シーズンを迎えてもらいたいものだ。