オリックス若月、一軍で痛感した「攻めのリード」の重要性。正捕手確保へエース・金子千尋とのコンビがカギ【2016年ブレイク選手】
昨シーズン終盤に初めて一軍のマスクを被り、脚光を浴びた若月健矢。高卒3年目となる今シーズンは「正捕手」奪取を目標に掲げて臨み、捕手の中では最多出場を記録するなど、大きく飛躍するキッカケになる年となった。
2016/12/23
正捕手への道、開幕マスクを被るためには
「今年はたまたま出られただけだと思っていますし、来年は他のキャッチャーが黙ってないでしょう。来年は勝負の年だと思います」
若月はマスクを多く被っていた分、チームが最下位になってしまった責任も痛感している。勝たなければ正捕手を任されないということを分かっているからこそ、シーズン終盤は「とにかく勝ちたい」と勝利への姿勢をむき出しにしていた。そして正捕手になるには、あの男の球を受け続けなければならないことも当然、分かっている。
「金子さんの球を受けないと、開幕スタメンのマスクを被れないですから。今年、金子さんの最終登板でバッテリーを組めたのは良かったです」
今シーズン、エースの金子千尋とは2試合組んでいるが、本拠地最終戦では、“実質”先発(小松聖の引退登板で初回の先頭打者のみ登板)の金子と初めて組む機会を与えられた。この試合は6回に金子が乱れて負けてしまったが、5回までは初回の1失点だけに抑えており、福良監督も「金子と若月のバッテリーにミスはなかった。良かった」と及第点を与えている。このとき一塁を守っていた伊藤光との正捕手争いは来年一気に激しくなることだろう。
今年は若月のほかに同期の奥浪鏡や園部聡も一軍デビューを飾った。
2人とも「健矢の活躍が刺激になった」と話しており、もう1人の同期、吉田雄人も秋季キャンプで猛アピールしていた。さらに、来季は高校時代から侍ジャパンで一緒だった山岡泰輔が入団してくる。山岡はオリックスに1位指名されてから若月と連絡を取り合っているそうで、お互いに「バッテリーを組むのが楽しみ」と話している。
糸井嘉男らの退団により、オリックスはチームがかなり若返っている。その中心にいるのが若月である。今シーズンのオリックスにとって若月が正捕手候補として台頭してきたことは、明るい未来のひとつだったといえるだろう。