優勝からBクラス転落のヤクルト、大きすぎたバーネットの穴。来季の巻き返しには投手陣再建が大前提【2016年通信簿】
球団史上2度目のセリーグ連覇を目指し、「燕進化」の新スローガンを掲げて2016年シーズンに臨んだ東京ヤクルトスワローズ。だが、投手陣の崩壊や思いもよらぬ故障者の続出で、結果はBクラスの5位とほろ苦いものになってしまった……。
2016/12/23
坂口が新天地で復活。“脇役”の活躍も光る
野手4点
昨年のタイトルホルダートリオである川端慎吾(首位打者)、山田哲人(本塁打王)、畠山和洋(打点王)が相次いで故障で離脱するなど、主力にケガ人が続出。それでもチーム打率.256、得点は昨年を上回る594(1試合平均4.15)と打線は機能した。
これはケガで昨季の大半を棒に振ったウラディミール・バレンティンが31本塁打、96打点と復活したのもさることながら、オリックス・バファローズを自由契約となった坂口智隆が新天地で輝き取り戻し、シーズンを通して3割前後の打率をキープしたのも大きかった。
また、主力に故障者が相次ぐ中で、本来なら控えの立場の“脇役”が懸命にその穴を埋めていたのも見逃せない。中でも北海道日本ハムファイターズからトライアウトを経て移籍してきた鵜久森淳志は、8月に2カ月半ぶりに一軍復帰すると月間チーム2位の14打点をマーク。昨年はチームにいなかった坂口、鵜久森の働きには、小川淳司シニアディレクターも「2人の存在が非常に大きかった。これだけケガ人が出た中で、彼らがいなかったら大変だったと思う」と賛辞を惜しまなかった。
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