陽岱鋼、FA移籍で「若い世代も巨人が身近に」。来季、中継が行われるか気をもむ台湾の野球ファン
駒田英さんは、台湾の政府系海外向け短波ラジオ放送の日本語放送の記者、パーソナリティだ。番組では台湾の様々なトピックを日本に紹介しているが、とりわけスポーツ分野では共著「台湾プロ野球（CPBL）ガイド」を著すなど造詣が深い。台湾では、陽岱鋼は英雄視されるスーパースターだ。陽の移籍について、ウインター・リーグが開催される、台中洲際棒球場で、台湾で人気を誇る陽岱鋼の移籍について聞いた。
2016/12/24
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中継があるのか気になる台湾野球ファン。若い巨人が増える可能性も
――台湾で『FOXスポーツ』経由で日本ハムの試合を視聴できるようになって、陽選手の認知度が広まったと。
はい、今や台湾で陽選手は非常に人気があります。『FOXスポーツ』が2014年からファイターズの試合を、昨年からは陳冠宇(千葉ロッテ)や郭俊麟(埼玉西武)の先発試合や、クライマックスシリーズの放送も開始、今年は200試合以上中継が行われました。TV放送の影響は大きく、ファイターズを中心に、台湾でパリーグの選手の知名度は高まりました。
さらに『FOXスポーツ』ではパリーグの試合のほか、今年8月からは巨人の主催試合も数試合中継しました。ただ、陽選手の巨人移籍は考えていなかったようで、来シーズン巨人戦の中継を実施するかは未定のようですね。
『FOXスポーツ』はパリーグと今年3年契約を結んだばかりである上、巨人の放映権は高額、かつセリーグは、パリーグのように一つの窓口で交渉ができないことから、ハードルは高いと伝えられています。台湾のファンは来シーズン、テレビで巨人戦の中継が視聴可能かどうか気をもんでいます。
また、東京ドームを本拠地とするジャイアンツ入団ということで、早速、格安航空会社を使った「弾丸観戦」を計画している人もいるようです。こうした個人旅行客だけでなく、旅行代理店もツアー企画を練ってくるでしょう。来シーズン、東京ドームで、「YOH 2」のユニフォームを着た台湾人ファンの姿をたくさん見ることになると思います。
――台湾と巨人といえば、昔からつながりがあると思います。
巨人は何と言っても王貞治さん、そして、呂明賜さんらが所属したチームというということで一定のブランド力があります。
今月初旬、台湾の大手日刊紙がツイッター上で行った、陽選手に移籍してほしいチームについて聞いたアンケートでも巨人は53％でトップでした。
また、11月20日に台中市で行われた「台湾OB選抜と読売巨人OB選抜」のチャリティーマッチには、王貞治さんをはじめ、日台共にそうそうたるメンバーが集まり、特に王さんの代打登場は大きな話題となりました。
ジャイアンツは今年6月に3軍が来台、U23ワールドカップ強化チーム(アマチュア)などと試合を行いました。3軍は来年も台湾で試合を行うということです。
また今年のドラフトでは、7位で廖任磊を指名しました。これまで台湾ではどちらかというとオールドファンが目立った巨人ですが、陽選手や廖投手の入団で、若い野球ファンにとってより身近な存在となりそうです。台湾での公式戦開催も期待したいところです。