ソフトバンク岩嵜翔、こだわり続けた先発から中継ぎで新境地。「生きる道として、他のポジションもある」【2016年ブレイク選手】
連覇を逃したソフトバンクだが、今季覚醒した選手もいる。中継ぎとしてチームの優勝争いを支えた岩嵜翔だ。
2016/12/24
先発ローテ漏れも中継ぎで結果
2016年、連覇を逃したソフトバンクだが覚醒した戦力も多く見られた。
その中でも注目したいのが岩嵜翔だ。
9年目の右腕は入団当初から期待されながら、本人も周囲も満足のいく結果が出せずにいた。今シーズンは先発7試合、中継ぎ28試合の計35試合に登板し、4勝2敗9ホールド1セーブ、防御率は1.95。
「初めて防御率1点台で終われたシーズン。先発でも中継ぎでも低いに越したことはない」と本人も納得の様子だった。
終盤は中継ぎに徹して、リードの場面でも逆転勝利を狙う接戦の場面でも起用され、9、10月だけで11試合マウンドに上がった。開幕前に目指した先発ローテからは漏れたが、新たな場所で力を発揮し勝ち取ったポジション。工藤公康監督から学んだトレーニングの成果が結果として表れ、それが自信へと結び付いた。
岩嵜の登板しなかったある試合の敗戦後に、起用について聞かれた工藤監督は「いつでも岩嵜くんというわけにはいかない」と話した。シーズン終盤、それほど周囲からの期待も高まっていたということだ。
何よりも変化したように思うのが、マウンド上での落ち着きようだ。走者を許しても以前のような不安な表情は見せず、攻めのピッチングを披露した。堂々としたその姿こそが成長の証でもある。
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