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ソフトバンク岩嵜翔、こだわり続けた先発から中継ぎで新境地。「生きる道として、他のポジションもある」【2016年ブレイク選手】

連覇を逃したソフトバンクだが、今季覚醒した選手もいる。中継ぎとしてチームの優勝争いを支えた岩嵜翔だ。

2016/12/24

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今季一番印象に残っている試合

 今シーズン一番印象に残っている試合について尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「オリックス戦での勝利も嬉しかったんですけど(5年ぶりの完封)、やっぱり一番は9月のロッテ戦ですかね」

 9月26日のロッテ戦、2点リードの7回に登板し、先頭の細谷圭に内野安打を許すと続く中村奨吾に同点2ランを浴びてしまった。その後、延長戦へともつれ込み、逆転負け。これにより、優勝争いをする日本ハムのマジックは1となった。

「あのホームランがなければ優勝はまだわからなかった。日ハムのマジックを1にしてしまった」と、責任を感じている。しかし、言い換えればそれだけ重要な場面を任されるだけの信頼を得たということ。「そういう場面で投げさせてもらったことは嬉しい」と岩嵜も素直に喜んだ。

 個人的な感想を付け加えさせてもらうと、負け試合を選択するその責任感の強さが何とも嬉しかった。

 2軍で投手コーチをしていたときから二人三脚で取り組んできた倉野信次コーチからは「9月はたくさん投げさせてしまったけど、よく頑張ってくれた」と労いの言葉をもらった。

 今年の開幕時には「1軍で投げたい」「とにかく投げたい」と話していた投手が、登板過多を気にされるほどに変化を遂げた。昨季までこだわり抜いてきた先発への思いにも変化が見られる。「自分の生きる道として、他のポジションもある」と。それは決してあきらめのようには聞こえなかった。むしろ、中継ぎの重要性も実感したからこそ。

 12月の自主トレで肉体をいじめ抜きながら「1年だけではまだまだ。3年続けないと」と漏らす。真価が問われるのはこれから。続ける難しさを実感しながら、2017年を過ごすことになるだろう。これまでとは内容の違う喜びと悔しさを味わった今季をステップとして、さらなる飛躍を期待したい。

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