新球場構想、国際戦略……日本ハムの挑戦は新フェーズへ。「巨人」「大リーグ」との新しい距離感【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#45】
年末に北海道日本ハムファイターズから大きなニュースが2つ飛び込んできた。
2016/12/28
距離感が変わった「巨人」と「大リーグ」
先日、同世代(ということは50代)のパリーグ党の友人と話していて、面白い話が出た。「今のパリーグは往年の『あぶさん』が描いたような空気とは違ってしまった」というのだ。友人が言ってるのは『あぶさん』でも初期の雰囲気じゃないか。マイナーで、その分、人情や誇りがあって、何となく赤ちょうちんが似合う感じのパリーグ。水島新司先生が描いたリアリティ。
一切合切がなくなってしまったわけではないと僕は思う。野球は依然として庶民の楽しみだ。球場は色んな世代の色んな人生を引き込み続ける。
だけど、気がつくとすっかり様相が違っているものもある。そのとき、友人と話したのは「巨人」と「大リーグ」の距離感だ。昔はね、「巨人」と「大リーグ」はパリーグ党にとっての難問であった。それを認めるのか認めないのか。極端にいえば、どう位置づけるのかで世界への対峙のしかたが変わる。
僕は自分より上の世代が「アンチ巨人」の情念を燃やしたりするのが苦手だった。「反権力、反体制としてのパ」みたいな立場の人がけっこういたのだ。僕は「反」ではなく、どっちかというと「非・巨人」だった。巨人とあんまり関係なく、のんびり野球が見ていたい。「パラレルワールドとしてのパ」だ。
かつては巨人からパへ移籍するのは「都落ち」と称されたりした。反対にパのスター選手が巨人入りするのは野球すごろくの「上がり」だった。その上下関係というか主流傍流みたいな関係になるべく関わりたくなかったのだ。
「大リーグ」はどうかというと、これは完全に「非・巨人」のパラレルワールドだった。つまり、好ましかった。ファイターズは長くヤンキースと業務提携していて、それがトレイ・ヒルマン監督の招聘までつながっていく。