黄金ルーキー平沢大河の1年目。苦悩しながら貫き通した心意気と、2年目への覚悟【マリーンズ浦和ファーム通信#31】
千葉ロッテマリーンズ、平沢大河の1年目が終わった。一軍の高いレベルに苦悩しながらも、1年間貫いたことがあった。
2016/12/26
千葉ロッテマリーンズ
未来への確かな希望
仙台市内が見渡せる青葉山公園に千葉ロッテマリーンズの平沢大河内野手の姿があった。19歳の誕生日だった前日12月24日の午後に帰省。久しぶりの故郷の空気を胸の奥深くまで吸い込み、じっと景色を見渡していた。1月の新人合同自主トレから始まった1年。長いようで短かった。
開幕一軍を目標に掲げたもの、弾き返された。
一軍初ヒットは8月17日。23試合に出場して7安打で打率.149。スピード、パワーに圧倒された1年だった。
「いろいろな経験ができた1年でした。ストレートに振り遅れたり、変化球にタイミングを外されたり。悔しいことばかりで試行錯誤の1年でしたけど、自分の中では何事も経験と思いながら、ぶつかってきたつもりです」
上手くいかないことばかりのプロ1年目だったが、貫いたことがあった。
「どんなことがあってもしっかりとスイングをしようと。それはずっと意識をしていました。当てにいくとかではなくて、とにかく自分らしく思い切りのいいスイングをする。それだけは1年間、貫き通したつもりです」
結果が出ないと当てにいく打撃をしてしまう選手が多い中で背番号「13」は逃げなかった。「三振をしたら二軍に落ちる。それが今の自分なのだから仕方がないぐらいの開き直りでいた」と力強いスイングを繰り返した。それでも、速球に振り負け、変化球にはタイミングを崩され三振を重ね、スタンドからため息が聞こえると、さすがに動じた。
「正直、ボールに当たるだけでホッとしたこともあった。内野フライなのに前に飛んだだけで、三振じゃなかったと思える自分がいた。それではダメだともう一度、自分に言い聞かせて、弱い自分を押し殺して、勇気を振り絞った」
高卒ルーキーがプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも貫き通した心意気。マリーンズの首脳陣もまたその点をしっかりと感じ取っており、高く評価をしているポイントの一つとなっている。どんな状況下でも強振に徹する18歳の強い気持ちには、未来への確かな希望が垣間見えた。