黄金ルーキー平沢大河の1年目。苦悩しながら貫き通した心意気と、2年目への覚悟【マリーンズ浦和ファーム通信#31】
千葉ロッテマリーンズ、平沢大河の1年目が終わった。一軍の高いレベルに苦悩しながらも、1年間貫いたことがあった。
2016/12/26
千葉ロッテマリーンズ
ウインターリーグで手ごたえ
少し気持ちの整理をする余裕ができたシーズン終了後は、初めての経験で感じた反省を自分なりにまとめた。千葉県鴨川市で行われた秋季キャンプではそれらを意識して徹底的に振り込んだ。打撃フォームの微修正に加え、タイミングの取り方に重点を置いて練習を繰り返した。
キャンプが終わるとさらに実戦で練習の成果を試すべく、台湾にて行われたウインターリーグ参加を命じられる。食事面や環境の違いに戸惑うこともあったが、18試合に出場。打率.280、2本塁打、13打点。現地で大きな話題となるような特大アーチも放つなど手ごたえを感じて帰国した。
「みんなが実戦をできない時期に、18試合も試合ができたのは本当にプラスでした。秋のキャンプからやってきたことが間違いではなかったと感じました。来年が楽しみです」
まだ19歳。プロ1年目が終わったばかりだが、少しずつこの世界で生きる実感と厳しさも感じている。オフにはこれまで可愛がってくれた先輩たちがチームの戦力構想を外れ、マリーンズのユニホームを脱ぐ姿を間近で見た。衝撃だった。
「厳しい世界ということを改めて感じました。結果を出さないとダメ。やらないとダメ。結果が出ないと数年でいなくなる世界。1年目だったから、何事も経験で済んだ部分はあるけど、2年目はそうはいかない。競争の世界で結果を出す。1年目のような甘えはもう許されない。成長した姿を見せないといけない」
悔いのないよう、毎日を生きる
今年も残すところわずか。冬空の下、落ち葉が目立つ青葉山公園で伊達政宗像をジッと眺めた。今季の反省。来季への誓い。いろいろな気持ちを戦国時代の英雄の像に語りかけるように静かな時間を過ごした。思えばこれまで野球に没頭した日々で、地元の名所に足を運ぶのは初めての経験だった。
クリスマスも誕生日もお正月も関係のない日々。プロでの1年目が終わった今もその姿勢には変わりはない。帰省をしてもバットを握り、体を鍛える毎日を続ける。これから先、どのような未来が待っているのか。それは誰も分からない。不安を感じることもあるが、不安があるから人は努力し、成長できるのだと信じている。今はただ、悔いのないように毎日を生きるだけ。そして迎える2年目で成長した自分を作り上げ、見せるだけ。実家に戻るため駅の改札を通り、帰路についた。その背中はどこか1年前より大きく、堂々と見えた。