パ最下位のオリックス、大誤算は先発3本柱も若手が台頭。シーズン中のコーチ配置転換は見直しを【2016年通信簿】
今年のオリックスは、143試合、57勝83敗、3分の成績で最下位に転落してしまった。優勝争いをした2014年から僅か2年での凋落に、多くのファンは落胆しているが、今年のチームには希望の光を感じることもできた。
2016/12/29
先発陣は崩壊もブルペンは整備
投手 2点
防御率 4.18(リーグ6位)
投手はエース金子千尋が春季キャンプから順調なスタートを切り、昨年は手術の影響から回避された開幕投手を2年ぶりに務めた。しかし今年の金子は「今までだったら、2ボール1ストライクの場面で、次に投げたボールで勝負できたんですけど、その球がボールになって…結果的に四球が増えてしまった」と話すなど24試合で59四球と制球難に苦しんだ一年だった。
夏場には腰の張りが限界となり登録抹消。万全を期して臨んだはずのシーズンは7勝9敗、防御率3.83という成績に終わった。金子が負け越したのはプロに入ってからはじめてのことである。
金子とともに先発3本柱の一角、西勇輝も開幕から大量失点を許してしまう試合が多く苦しいシーズンだった。しかし、それでも若月健矢とバッテリーを組んでからは、マウンド上で喜怒哀楽をだす気迫のピッチングで3年連続の2ケタ勝利を達成。ただ10勝12敗と負け数が先行した。
ブランドン・ディクソンは8月20日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦(京セラ)で9勝目を挙げてから最終戦まで足踏み状態が続き、9勝11敗とこちらも負け越し。さらには、昨年10勝を挙げた東明大貴が1勝止まりだったのも大誤算だった
「先発がいない」と指揮官の福良淳一監督は嘆いていたが、松葉貴大、山﨑福也、山田修義の左腕3人が穴を埋めるべく奮闘。特に松葉と山﨑福はチーム事情からリリーフに回ることもあり、今年はフル回転した。
一方、リリーフ陣はかなりの陣容を揃えることができた。
開幕当初、クローザーとして期待されていたエリック・コーディエは制球が全く定まらず機能しなかったが、配置転換が成功した。
平野佳寿をクローザーに固定し、シーズン序盤からセットアッパーとして安定していた塚原頌平、怪我で出遅れた吉田一将とのダブルセットアッパーを確立。さらには左腕の海田智行も加わり、救援陣が機能しはじめた。塚原は初のオールスターゲームにも選出され飛躍の年となった。