パ最下位のオリックス、大誤算は先発3本柱も若手が台頭。シーズン中のコーチ配置転換は見直しを【2016年通信簿】
今年のオリックスは、143試合、57勝83敗、3分の成績で最下位に転落してしまった。優勝争いをした2014年から僅か2年での凋落に、多くのファンは落胆しているが、今年のチームには希望の光を感じることもできた。
2016/12/29
難病の安達が活躍、吉田正が終盤に大暴れ
野手 2点
打率.253 本塁打 84 盗塁104
今年、規定打席に乗ったのは、糸井嘉男、T-岡田、安達了一、西野真弘の4人。全143試合に出場したのは糸井と西野だけである。
キャンプ前に潰瘍性大腸炎という難病を患った安達は、予想より早く一軍に合流。7月には初の月間MVPを受賞するなど、病気であることを感じさせない活躍を見せたが、シーズンが終わるまで毎日が「その日になってみないとわからない」という闘病の日々だった。
T-岡田はシーズン序盤に絶不調で登録を抹消され、ファームで下山真二打撃コーチとともに、復活に向けたトレーニングに励んだ。4月末に田口壮二軍監督が「今から上がってもホームラン20本は打つ」と予言したとおり、20本塁打を記録。85試合で4番を務めた。
今年のオリックスは、新外国人やベテランの負傷や怪我により、吉田雄人を除いたすべての野手が、一軍に昇格している。中堅だと小島脩平が逆方向の打撃を磨いて一軍に定着。若手では筆頭格である若月健矢が、正捕手を射程圏内に入れ、奥浪鏡や園部聡も手応えを感じていた。
そして、怪我による長期離脱があったものの、ルーキー吉田正尚がシーズン終盤2カ月で10本塁打の大暴れ。またベテランの中島宏之も夏場以降は「西武時代の感覚が戻ってきた」と手応えのあるバッティングをしていただけに、シーズン序盤から機能していればと悔やまれる。
今年は盗塁数が急増したが、半数は阪神に移籍した糸井嘉男が記録したもの。西野、安達に加えて、駿太、小田裕也と走れる選手が多いだけに穴を埋めてもらいたい。