DeNA初のCS進出、ラミレス監督の後半戦を意識したマネジメントが吉。筒香「選手は戸惑わず、思い切ってプレーできた」【2016年通信簿】
11年ぶりにAクラス入りをし、球団史上初となるクライマックスシリーズ(CS)に進出した今季の横浜DeNAベイスターズ。 プロの球団で初めて指揮を執るアレックス・ラミレス監督のもと、上々の成績を挙げたと見る向きもあるが、シーズンを冷静に振り返れば69勝71敗3分と負け越してあることを決して忘れてはいけない。では発展途上にいるチームの今シーズンを振り返ってみよう。
2016/12/30
2年目の石田が月間MVPなど左腕投手の活躍光る
投手 3点
奇しくも先発防御率と救援防御率が3.76と同率になった今年の投手陣。先発はリーグ4位、救援は5位と決して満足のいく成績とはいえない。
まず先発陣だが、11勝5敗、防御率2.86の抜群の成績でチーム勝ち頭になった山口俊は、5完投3完封とチームに貢献をしたが、ケガにより指名されていたシーズン開幕戦やCSを回避するなど要所で仕事ができず数字ほどの印象を残すことはできなかった。一方、そんな山口をフォローするカタチになった井納翔一は、数字こそ良くなかったが、勝つべき試合で勝ち、しっかりとインパクトを残した。
またローテーションの一角として期待されていたベテランの久保康友やギジェルモ・モスコーソの調子が上がらない中にあって明るい話題となったのが、2年目の石田健大とルーキーの今永昇太の若き二人のサウスポーの躍動だ。
石田は5月の月間MVPを獲得するなど、ラミレス監督から「シーズンを通して一番安定していた」と高い評価を受け、今永はオープン戦からローテーションに入り、序盤は勝ち星に恵まれなかったり、疲労から1カ月ほどファームで過ごすことがあったものの、8勝を挙げ防御率2点台とルーキーとしては十分な働きをし、シーズンを終えた。
そして救援陣であるが、須田幸太、田中健二朗、三上朋也、山﨑康晃による勝利の方程式を確立したが、夏以降はラミレス監督がこの編成に固持したことで、打ち込まれ不安定になる場面がしばしば見られた。
決して層が厚いとは言えないリリーフ陣にあって、例えば山﨑の調子が悪ければ他の選手が配置を変えフォローするなど、ギリギリで踏みとどまるブルペンワークの妙が目立った1年だった。
最下位となった昨シーズンと比べれば、選手個人を見ても実質的な数字を見ても建設的な評価のできる投手陣ではあったが、チーム防御率が物語るようにどこか脆弱さを感じられたのは確か。今後に課題を残す1年となった。