DeNA初のCS進出、ラミレス監督の後半戦を意識したマネジメントが吉。筒香「選手は戸惑わず、思い切ってプレーできた」【2016年通信簿】
11年ぶりにAクラス入りをし、球団史上初となるクライマックスシリーズ(CS)に進出した今季の横浜DeNAベイスターズ。 プロの球団で初めて指揮を執るアレックス・ラミレス監督のもと、上々の成績を挙げたと見る向きもあるが、シーズンを冷静に振り返れば69勝71敗3分と負け越してあることを決して忘れてはいけない。では発展途上にいるチームの今シーズンを振り返ってみよう。
2016/12/30
シーズン最後まで悲壮感なくポジティヴに戦った
総合 4点
インテリジェンスが高く知性的、それでいて明るく前向きなパッションでチーム力を高めるラミレス監督と、キャリアハイとなる個人成績を残しながらキャプテンとして目配り、気配り、心配りをし、チームメイトから絶大な信頼を得ている筒香嘉智の存在。この二人なくして今シーズンのDeNAの躍進はなかったといってもいいだろう。
そして誰にでもチャンスは与えられ、結果を出せば評価される――というチームの中に醸成された空気が競争力を高め、全体的なレベルアップに繋がっていた。
将来性のある選手が多く、来年以降も期待は膨らむばかり。ただ一方で、ペナントでは負け越し、優勝した広島カープに19・5ゲームもの差をつけられたことを考えれば手放しで喜ぶわけにはいかない。手薄だったセカンドとサードは、宮﨑が出場機会を多く得たが絶対的な存在にはなれなかった。
またリリーフ陣では勝利の方程式以外のピッチャーとして砂田毅樹や後半戦は加賀繁が踏ん張りをみせたが、長いペナントを戦う上では安心のできる陣容ではなかった。
結果だけを見れば総合の評価は「3」が適正かもしれないが、個人的な感想を言わせてもらうと、とにかく以前よりもポジティヴなチームになった。
それに対し「4」という評価を与えたい。
1年間チームを間近で見てきて思ったのは、どんなに厳しい局面にあってもベンチから悲壮感が感じられなかったことだ。
それを如実に表していたのがCSファーストステージの巨人戦である。ほとんどの選手が初体験となる異次元の試合において、東京ドームに詰めかけたDeNAファンの前でしっかりと勝ち越せたことにチームの芯の強さが感じられた。
来シーズンは先発の柱だった山口俊が抜けるなどマイナス要因もあるが、今シーズン犯したミスをラミレス監督や、あるいは選手たちが丁寧にフォローすることができれば2001年シーズン以来の勝ち越しはもちろん、1998年以来のリーグ優勝・日本一も視野に入って来るのではないだろうか。