〝投手を育てる土壌がある〟OB・選手が語る、パリーグの強さの秘密
この5年でセリーグのチームが日本一になったのは2012年の巨人だけ。交流戦もここ数年は拮抗しつつあるが、通算でみればまだまだパリーグが圧倒している。今オフも大物選手が相次いでパリーグに復帰。また有原、安楽、髙橋光など昨年ドラフト注目の投手は、みなパリーグに入団した。力のある選手との対戦が、自身のレベルアップに、やがてはチーム、そしてリーグのレベルアップにつながっている。
2015/01/10
今年も大物選手が続々パリーグへ
黒田博樹の広島復帰、鳥谷敬の阪神残留、ヤクルトのFA補強などセリーグにも話題があったが、このオフの主役を張ったのはパリーグだった。
松坂大輔がソフトバンク、中島裕之がオリックス、田中賢介は古巣・日本ハムへの復帰を果たした。
さらに、横浜DeNAのトニー・ブランコ、広島のブライアン・バリントンもオリックスに移籍。FA宣言の金子千尋もオリックス残留を決めた。
この一連の流れを受けて、パリーグのある関係者は「これでまたセリーグとの差が広がるんじゃないか」と言った。
昨年の日本シリーズではソフトバンクが阪神相手に4勝1敗で圧勝するなど、強さを見せつけた。ちなみに、ここ5年間でセリーグのチームが日本一になったのは2012年の巨人だけだ。
さらに交流戦でもパリーグがセリーグを圧倒しており、過去10年間の通算成績を見ても、パリーグが804勝、セリーグが730勝(引き分け50)と大きな差がある。
こうした現象を引き起こした大きな要因は何なのか? 解説者の与田剛氏は次のように語る。
「ピッチャーにもバッターにも言えることですが、パリーグの選手には力強さがあります。球場の広さも影響しているのかもしれません。とにかくピッチャーは真っ向勝負を挑み、バッターもそれに対抗する。その相乗効果によって、お互いのレベルが上がっていったということはあるでしょうね」
現役時代、セ・パ両リーグでタイトルを獲得した山﨑武司氏もこのように語った。
「DH制の影響も大きいと思います。セリーグの場合、DH制がないから先発投手が序盤に失点してしまうと、打席が回ってきた時に代打を出されることがよくあります。その点、パリーグは先発すれば、少々点を取られても続投させることができる。つまり、投手を育てる土壌がパリーグにはあるということです」