西野、内らブルペン陣の不振、故障が急失速に。平沢ら若手台頭もデスパイネの穴が最大の懸念【2016年通信簿】
ペナントレースでは2年連続Aクラス。しかし北海道日本ハムファイターズ、福岡ソフトバンクホークスとの力の差は歴然だった。 CSファーストステージ敗戦後、千葉ロッテマリーンズ・伊東勤監督はこう振り返った。 「レギュラーシーズンの力の差がそのまま出たシリーズだった」と。 その言葉どおり完敗の1年だった。 今季の目標はCS進出枠の3位滑り込みではなく、あくまでリーグ優勝のはずだった。 開幕からエース涌井秀章の登板間隔を何度もずらして、福岡ソフトバンクとの直接対決にぶつけ、前年度王者に向かって行った。 エースの奮闘もあって開幕から選手、首脳陣も高いモチベーションを維持して戦うことに成功。 しかし、オールスター明けの後半戦から上位2チーム(北海道日本ハム、福岡ソフトバンク)とのゲーム差は日を追うごとに開いていくと、集中力を保つ点で難しい戦いを強いられた。年間を戦う戦力が十分でなかったのは結果として証明されただろう。
2016/12/30
角中首位打者、細谷才能開花も清田とナバーロが誤算
攻撃 2.5点
前年度の成績が当てにならないプロ野球の難しさである。その代表が2016年のロッテでは清田育宏だった。2015年は打率.317、本塁打15、打点67の成績を収め、侍ジャパンのメンバーにも召集された彼だが、シーズンが始まると途端に大ブレーキ。打率.225、本塁打6、打点38と数字が大きく下回った。
はっきりした原因も分からず、終盤戦は怪我にも泣かされ、不本意なシーズンを送った彼だが、福岡ソフトバンクとのCSファーストステージでは2本の本塁打を放ち本来の輝きを取り戻した。来季は仕切り直しの1年を期待したい。
もう一つの誤算だったのは助っ人の一人、ヤマイコ・ナバーロだ。右打者に不利といわれるQVCマリンの風にも負けず、あわや場外弾の当たりを何度か見せたパワーは、今のマリーンズにはない捨て難いものだったが、慣れない環境もあってか精神面で苦しみ、首脳陣ともそりが合わず、シーズン終盤には両者の関係は最悪の状態になっていた。
打率.217、本塁打10の成績が彼本来のパフォーマンスとは思えないが、残念ながら1年でチームを去ることになった。
その一方でプロ11年目の細谷圭が覚醒したのは収穫だった。初の100試合超えと100安打超えを達成。印象的な活躍も目立ったためかファン人気が一気に急上昇した。
そしてもう一人、忘れてはならないのが、首位打者争いを独走状態で駆け抜けた角中勝也の活躍だ。来季から選手会長にも就任。プレッシャーがかかる状況であればあるほど、強い集中力で結果を残した彼のバッティングは、来季以降も見逃せない。