【里崎智也×ザック生馬特別対談】侍JAPANへの提言#4 「菊池よりも中島卓也」WBCメンバー19名の選出に疑問。残り9枠の行方
12月31日の時点で、19人のメンバーが先行発表されている。 これは決定事項だが、WBCを勝つために、残りの9枠をどのように埋めていくべきなのだろう。 メンバー選考を含めて、優勝するために侍JAPANができることとはあるのか。
2017/01/05
スペシャリストたちの選出を
里崎 まずレギュラーを決めて、想定する。代打の1番手をどうするのか。筒香が出塁して、勝負どころの代走はどうするのか。変える可能性のあるポジションは、そこもいりますよね。守備固めをどうするかとか、考えて入れて行かないといけない。スペシャリストたちを。
ザック ベイスターズの関根大気選手ですか(笑)筒香選手の代走要因として。
里崎 引退しましたけど、鈴木尚広(元巨人)もありやと思ったんですよ。僕ならお願いしに行きます。最後にWBCに出てくれへんかと。ここ一番の代走のスペシャリストと守備固め。ここ一番の勝負所の1点はあるわけですから。
ザック スペシャリストを、そういう風な感じの枠の作り方をしたほうがいいんですよ。代表チームとは勝つためのベストメンバーだから。一方、投手は抑えも決まっていないし、リリーフが足りないと思う。
里崎 先発は6人作らないといけない。ダブル先発だから、菅野智之と大谷翔平がメインで、則本昂大は抑えかもしれない。
ザック 投手は14人選ぶんですか
里崎 12か13ですよ。捕手は3人ですから。
ザック 2013年のアメリカをブループリントにすると、投手14人、捕手3人、外野手4人に、内野手が7人。先発は4人しかいなかった。10人がリリーフでした。彼らは勝っていないけど、WBCは3連投もできないわけだから、リリーフが一番大事じゃないかな。2-2になって最終的にもつれて、7、8回に出てくる投手がどうかで層の厚さがでる
里崎 それもみえてこないんですよ。集まった選手でどう戦うか考えてはいけないと思います。先にどういう野球をするかを決めて、それに合う選手をチョイスしていかないと。来てくれる選手の中でどう戦えるか考えるのは駄作でしかない。W先発で行くのか、ザックさんが言ったように戦っていくかも見えない。
ザック リリーフは多すぎるんじゃないのと思うくらいの、しかも、この人たち選ばれたんだって変則的な投手をリストに入れてもらっていいと思う。
里崎 森福允彦もありやと思います。ワンポイントで投げられるし、イニング途中でもいける。
ザック いかにオランダや台湾を大差で破ろうという目標じゃないから、先をみないといけない。ドミニカ共和国の打者をどう抑えるか、ベネズエラ、アメリカをどう抑えるかってなると、変則投手が必要ですよ。
里崎 あとはWBCの球にどれだけ馴染むか。ここにきて、またボール?って問題が生じていますよね。何のための統一球で、何のための強化試合なのと言いたいですよ。
ザック いつもその課題があります。
――非常に期待感が薄れてきますけど、こういう人を選んでほしいという推薦はありますか。
里崎 僕は内野手に中島卓也ですね。
ザック 僕は単純に中村晃選手がスタメンに入っていなきゃいけないと思っているんです。フォアボールが三振の倍もある選手。あり得ない数字です。そういう選球眼がある人がいると、次のバッターが仕留めやすくなる。あと、マイブームですけど、オリックスの吉田正尚選手。Wリーグで3週間、打率5割、出塁率6割を保てたというのがすごい。4年後じゃなくて、今、使ってほしい。中田翔選手よりも打てるんじゃないですか。
――サウスポーが宮西尚生しか入っていない。どういう選手がいますか。
里崎 強化試合を見たときに、まずはボールを扱える投手は誰なんや!って思いました。どんな好投手が入っても、あのボールを扱えなかったら役に立たない。逆に言えば、普通の投手でも、ボールを自由自在に操れたらいいわけです。すっぽ抜けて、自分の武器が投げれませんって。招集する意味がない。
ザック 強化試合では球種を捨てた選手がいました。
里崎 もうひとつ、今回のメンバーは合宿からちょうどの人数で行くじゃないですか。それはいいと思う。途中で抜けた選手の気持ちを考えたら。何かあった時のバックアップメンバーに入る選手たちは、そのボールで練習しないですよね。キャンプに呼ばなかったとしても、なんかあった時のサブメンバーはこのボールで練習しといてねっていう人を作っておかないと。
――優勝するためには必要なことは。
里崎 小久保さんが好きなようにやればいいと思うんですよ。自分がトップなんだから、自分の思う野球、自分の思う選手選考をして、戦って負ければ、責任をとればいい。勝てば称賛されるわけですから。でも、どういう野球をしたいのかは、メッセージとして発信していかないと。勝つまでに何をしなければいけないのかが分からなかったら、力勝負になってしまう。
ザック サトさんのおっしゃる通りで、何か上手く行っていないときに、うちは必ずこれができるという、デフォルトのセッティングがあれば勝てる野球になる。そういうアイデンティティを見つけてほしい。2009年は打てなかったけど、ノーアウトでランナーが出ると、きっちり送った。僕はバント不要論ですけど、ここで1点取れれば投げ勝てるみたいなスタイルだった。
里崎 原辰徳さんだったら、4番の中田でもバントさせるってイメージがある。慎之助でもバントをさせる。小久保さんは勝負所の無死1塁でどういう野球をするか、みえない。