【里崎智也×ザック生馬特別対談】侍JAPANへの提言#4 「菊池よりも中島卓也」WBCメンバー19名の選出に疑問。残り9枠の行方
12月31日の時点で、19人のメンバーが先行発表されている。 これは決定事項だが、WBCを勝つために、残りの9枠をどのように埋めていくべきなのだろう。 メンバー選考を含めて、優勝するために侍JAPANができることとはあるのか。
2017/01/05
組み合わせの順番は最高。期待しているからこそ厳しい意見に
――組み合わせはいかがですか。キューバ、オーストラリア、中国の順になる。
里崎 最高の組み合わせです。4戦目にタイブレークがある。この並びだと、オーストラリア戦が終わった時点でタイブレークの可能性がみえる。中国に負けることはないから、温存して1枚置いておける。3戦目が終わらないと分からないのでは、準備ができない。この差は大きい。
ザック しっかりとよんでいますね。勝ち進むには、楽ですよね。韓国のグループの方が強いと思う。イスラエルも強い。ランキング高くないとはいえ、突然、ガラッと変わるメンバーだから。オランダも。
――キューバは?
ザック 昔ほどじゃないですよね。亡命しちゃっているから、参加しないし。
里崎 ただ何が起こるか分からないですからね。力で行って、大谷が2失点したら浮足立ちます。
――僕らが知らないだけで、次世代がいるかもしれない。亡命を狙う候補生がいるかもしれない。
里崎 亡命したときのいい宣伝になるから、張り切る可能性もあるじゃないですか。韓国も兵役免除の大会がWBCしかないので、意気込みがスゴい。正直、日本がアメリカラウンドに進めるかわからない。
ザック ラッキーがないと優勝はできない。アメリカとドミニカ、日本とベネズエラが最終的に拮抗している。ベネズエラは強いはずなのが結果出していない。それがついに結果を出す大会なのか。前回のプエルトリコはサプライズだけど、トップの4、5チームはどこが勝ってもおかしくない。
里崎 ラッキーといってもルール内のラッキーだから、違反しているわけでもない。それがないと世界一にはなれない。そのラッキーを味方に付けられるかが勝負です。前回も走塁ミスがなく慎之助が打っていたら、そのまま世界一になっていたかもしれないし、2006年はあの誤審があったからこその世界一だったかもしれない。
ザック 準優勝に終わっても、よくやったといえる。それくらいの大会、そう簡単に勝てるもんじゃない。
里崎 厳しい意見が出るのはそれだけみんなが期待しているということ。頑張ってほしいからみんなが持論を出し合っている。興味がなかったら、議論は成り立たないですからね。
――愛情の反対語は無関心です。
里崎 それくらいみんな頑張ってほしいと思うことが意見になるわけですから、その中でどう戦っていく、本番が楽しみでならないですね。
里崎智也(さとざき・ともや)
1976年5月20日徳島県生まれ。鳴門工(現鳴門渦潮高)、帝京大学を経て、98年のドラフト会議で、千葉ロッテマリーンズを逆指名して、入団。03年に78試合ながら打率3割をマークし、レギュラー定着の足がかりをつくる。05年は橋本将との併用ながらも、日本一に貢献。06年にはWBC日本代表として世界一にも輝いた。持ち前の勝負強さで数々の名シーンを演出。00年代の千葉ロッテを牽引した“歌って、踊って、打ちまくる”エンターテイナーとして、ファンからも熱烈に支持された。14年限りで現役引退。現在はプロ野球解説者・評論家を務める傍ら、TV番組にも多数出演。
ザック生馬(ざっく・いくま)
1974年12月23日東京都生まれ、北米在住25年(トロント、ニューヨーク、フィラデルフィア)。ペンシルベニア大学学士号を習得。三桂事務所所属スポーツキャスター2016年スポナビライブ ニュースMC、実況(DeNA、中日&MLB戦)を務めた。過去には2015年UStreamドラゴンズライブTV、 2013-14年『FOX SPORTSジャパン』千葉ロッテマリーンズ リポーター 2007-13年日本テレビ「オードリーのNFL倶楽部」も担当した。