2年目の飛躍、再起を図る選手ら……2017年の年男たち
2017年が幕を開けた。プロ野球は2月のキャンプインを経て、3月からはWBCが開催される。シーズン前から熱戦が展開される今年、酉年の年男となる93年と81年に生まれた現役選手たちを紹介する。
2017/01/01
81年生は岩隈、川崎のメジャー組と糸井、鳥谷ら再出発を図る国内組
次に81年生まれ(今年36歳)の選手たちを見てみよう。主な顔ぶれは以下の通りとなっている。
◆1981年生まれの主な選手
【投手】
岩隈久志(マリナーズ)
和田毅(ソフトバンク)
岸田護(オリックス)
館山昌平(ヤクルト)
石井裕也(日本ハム)
高宮和也(阪神)
【野手】
川崎宗則(カブスFA)
糸井嘉男(阪神)※オリックスからFA移籍
鳥谷敬(阪神)
田中賢介(日本ハム)
鶴岡慎也(ソフトバンク)
高谷裕亮(ソフトバンク)
脇谷亮太(巨人)
實松一成(巨人)
藤井淳志(中日)
工藤隆人(中日)
メジャー組の2人、シアトル・マリナーズの岩隈久志とシカゴ・カブスをFAになった川崎宗則は共に81年生まれだ。
岩隈はメジャー5年目で自己最多の16勝(楽天時代の08年に21勝)を挙げた。惜しくもプレーオフ出場はならなかったが、シーズン16勝は、96、02、03年の野茂英雄(ドジャース)や12年の黒田博樹(ヤンキース)、同じく12年のダルビッシュ有(レンジャーズ)と並ぶ日本人歴代2位の成績だ。トップは08年に松坂大輔(レッドソックス)が記録した18勝となっている。岩隈は今季、1学年上の松坂の記録を上回れるか、さらなる期待が高まる。
去就が注目される川崎は、今季の日本球界復帰や3月のWBC出場の可能性もある。昨季は所属したカブスが108年ぶりにワールドシリーズを制覇したが、出場機会を与えられなかった。日米のファンに愛される川崎が再出発を図る。
昨季メジャーから5年ぶりに日本球界に復帰したソフトバンクの和田毅は、15勝5敗の成績で最多勝と最高勝率(勝率.750)の2冠を獲得。「松坂世代」の一員として第一線で活躍し続ける左腕は、今季もチームの柱として覇権奪回に挑む。
日本球界のみでは、オリックスからFAで阪神に移籍した糸井嘉男も今年、年男となる。昨季は打率.306、17本塁打、70打点。53盗塁で盗塁王も獲得し、2年ぶりにベストナインにも輝いた。オリックスから同じ関西の人気球団に降り立った“超人”は、初のセリーグで自身のプレースタイルを貫けるだろうか。新天地でもキャリアハイを目指していく覚悟だ。
糸井と同じチームメイトとなる同級生の鳥谷敬は、昨季全143試合に出場したものの、打率.236、7本塁打、36打点と不振にあえいだ。7月には連続フルイニング出場が667試合で止まり、今季は若手の北條史也から遊撃のポジションを奪い返しにいく。
日本ハムの田中賢介は、昨季10年ぶりの日本一に貢献。7月末からは5番に座りながら、打線のつなぎ役をこなした。さらに6年ぶりに20盗塁以上もマーク。2年連続日本一に向け、今季もベテランの力が必要となる。
投手では、オリックスの岸田護が今季から先発に再転向。09年には10勝をマークし、2ケタ勝利も記録している。翌10年の途中にリリーフに転向し、直球主体のスタイルから持ち球のシュートを封印していた。今季は先発に戻り、その封印を解く。
15年に右肘靭帯再建手術から復活を遂げ、6勝(3敗)をマークしたヤクルトの館山昌平。昨季は4月下旬に右肘関節遊離体摘出とクリーニング手術を受け、10試合の登板で1勝4敗、防御率は7.24と結果を残せなかった。今季は完全復活を目指し、開幕からローテーションに入りたいところだ。
その他、巨人の脇谷亮太や中日の藤井淳志、ソフトバンクでは鶴岡慎也と高谷裕亮も81年生まれの年男だ。ベテラン捕手の細川亨が楽天へ移籍し、鶴岡と高谷2人の正捕手争いにも注目だ。
各球団、若手とベテランの融合が勝利のカギを握っている。今年、一番羽ばたくのはどの選手だろうか。