熟考の末の決断――「生涯・阪神」宣言で残留した鳥谷
虎党にとっては新年早々、朗報だ。海外FA権を行使してメジャー移籍を目指していたタイガースのキャプテン・鳥谷の残留を発表した。
2015/01/12
阪神にとっては、最大の補強に
阪神は9日、海外FA権を行使してメジャー移籍を目指していた鳥谷敬内野手の残留が決まったと発表した。8日夜、本人が球団側に決断を伝えたという。
「熟考に熟考を重ねた結果、残留することを決意しました。決定が遅くなりファンの皆さん、球団の方々、選手の皆さんには大きなご心配をおかけしました」
沖縄で自主トレ中の鳥谷は、阪神球団を通じてコメントを発表した。積年の夢だったメジャー挑戦か、プロ選手として育った阪神への思いか―。悩み抜き、決断するまでに新年を迎えた。球団からは4年以上の大型契約を提示されており、事実上の「生涯・阪神」宣言だった。
阪神はこのオフ、補強にことごとく失敗してきた。
いずれも国内FA宣言したロッテ・成瀬、オリックス・金子、日本ハム・宮西、中日・山井、日本ハム・大引にふられた。アスレチックスからFAの中島も逃した。ここまで大きな補強はできず、戦力的には現状維持だが、鳥谷の流出も覚悟していただけに「最大の補強」ともいえる残留となった。
すでに球団は流出に備え、昨年中堅でゴールデングラブ賞を受賞した大和の遊撃再転向に着手。秋季練習から早速テストを繰り返した。二塁手には上本が台頭したことから、それに伴い西岡の外野転向プランまで検討していた。
だが、歴代3位の1466試合連続出場中の鉄人が、要の遊撃にこれで鎮座。大和は中堅に固定し、西岡と上本の2人に本職の二塁を競わせることになりそうだ。布陣さえも大きく狂わせかねない大きな穴だったが、主将の決断がチームを救うことになった。