2017年のマイルストーン。達成が期待される投打の記録【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は2017年に達成が期待されるマイルストーンについてだ。
2017/01/07
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2017年、2000本安打到達する選手は0?
MLBでは区切りの記録をマイルストーン(里程標)という。この数字を目標に、選手たちは頑張るのだ。2017年シーズンのNPBの主なマイルストーンを見ていこう。
まずは、打撃部門だ。
読売ジャイアンツの阿部慎之助2000試合出場まで37試合。安打ほど注目されないが、これも偉大な記録だ。
捕手で2000試合をクリアしたのは、谷繁元信、野村克也、木俣達彦、古田敦也の4人だ。
1000試合が迫る選手で注目は広島東洋カープの赤松真人。代走や守備固めで、昨季は89試合に出場したが打席数は21。しかし昨年の12月28日に初期の胃がんを公表した。1日も早い復帰を祈りたい。同じような立場では、昨季限りで引退した巨人・鈴木尚広が、プロ人生後半は代走での起用が主となったが、1130試合に出場している。鈴木に続く1000試合をクリアできるだろうか。
注目度の高い2000本安打、2017年は5人の選手に注目したい。ただ昨季20安打しか打っていない千葉ロッテマリーンズの福浦和也が68本を打てるか、また不振が続く阪神タイガースの鳥谷敬も、今季中は厳しいかもしれない。
1500本安打まで98本の巨人、坂本勇人はまだ28歳。ハイペースで安打を量産している。このペースなら2500本以上は積み上げるのではないか。
かつて広島のレギュラーだった梵英心は、昨季1000本安打まであと10本と迫りながら無安打に終わった。今季はクリアできるだろうか。
本塁打でも巨人、阿部は節目の記録に挑むことになる。捕手での400本塁打以上は、野村克也、田淵幸一に次ぐ3人目だ。
地味だが1000得点も、貢献度の高い数字。40歳を過ぎたロッテ、井口資仁にとってあと70回ホームベースを踏むのは大変だが、節目の記録として目指してほしい。阿部はフル出場すれば、この記録もクリアするだろう。
1000打点も偉大な記録。大打者の一つの指標でもある。昨季不振だった埼玉西武ライオンズの中村剛也だが、復活すれば110打点は不可能な数字ではない。
盗塁では過去8人しか記録していない400盗塁に中日ドラゴンズの荒木雅博、東北楽天ゴールデンイーグルスの松井稼頭央が挑む。厳しいところだが、注目したい。
阪神にFA移籍した糸井嘉男は、昨年並みの盗塁を稼げば、300盗塁が見えてくる。