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巨人、FA3選手獲得。最大の補強は小谷正勝コーチの復帰【小宮山悟の眼】

2017年となり、キャンプインまで1カ月を切った。2016年オフFA権を行使して移籍した5人のうち3人が巨人入りとなった。

2017/01/08

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5人中3人が巨人へ

 2017年を迎え、今シーズンのキャンプインまで、あと1カ月を切った。オフの間に行われてきた各チームの戦力補強もほぼ終了。今シーズンを戦っていくメンバーが固まりつつある。
 このオフ、下記の5選手がFA権を行使して他球団への移籍を果たした。
 
岸孝之(西武→楽天)
糸井嘉男(オリックス→阪神)
山口俊(DeNA→巨人)
森福允彦(ソフトバンク→巨人)
陽岱鋼(日本ハム→巨人)
 
 ご覧になってわかるように、5人のうち3選手が読売ジャイアンツへ入団した。ほかにも、新外国人選手として、元東北楽天ゴールデンイーグルスのケーシー・マギーを獲得。トレードで北海道日本ハムファイターズから吉川光夫も加入した。とにかく、巨人の積極的な戦力補強の動向が目立つ、オフの移籍戦線だった。
 
 この補強が成功するかどうか。詳しい解説や評価は、開幕前の順位予想時にしたいと思う。ただ、単純に言って、実績のある選手の加入は戦力アップに直結することだけは確かだ。チームを立て直そうという姿勢は伝わってくる。どうやら2015年の途中に就任した堤辰佳GMのカラーが徐々に出始めているようだ。
 
 個人的な話だが、堤GMとは同じ年で、彼が熊本・済々黌高野球部でプレーしていたころから見知っている。六大学時代にも早慶戦で何度も対戦した。プロ野球選手になれる資質があったかどうかは定かではないが、少なくもと本人が希望すれば、社会人野球に進むだけの実力を持った打者だった。だが、彼は記者になる道を選び読売新聞に入社した。
 
 あくまで私の知る範囲だが、当時から彼はまじめなタイプで、野球をよく知っている男でもあった。巨人のGMというポジションがどれだけの権限を与えられているかわからないので、まだ、彼のチーム編成における能力は判断できない。ただ、ドラフト戦略を含めて、周囲――ファンやチーム関係者――が納得するような方法に向かって、戦力を整えていこうという姿勢は垣間見える。
 
 大型戦力補強を敢行した巨人だが、個人的には、小谷正勝さんが巡回投手コーチとして再入団したことが、一番の戦力アップにつながると思っている。
 
 投手の育成、技術指導に定評のある小谷コーチの最大の魅力は経験の豊富さだ。こういうタイプの投手が、こういう不調に陥ったら、こういう修正法で立ち直る。こんなタイプの投手は、ここを直せば飛躍的に伸びる。そういうアドバイスの引き出しの数が抜きんでているのだ。
 
 選手と指導者の関係の良し悪しには、相性も影響する。また、教わる側の姿勢が悪ければ、どんな名伯楽でも結果を残せない場合がある。ただ、現在の巨人の投手陣には、最盛期の勢いを失ったベテランや、もう一息で一人前に育つ若手が多いので、小谷コーチの的確なアドバイスが功を奏すシーンが増えるのではないか。巨人の投手力は間違いなくアップすると思う。
 

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