由伸野球の核となるべきドラ1トリオ。岡本、桜井、吉川尚は次世代の松井秀喜になれるのか?【2017年ブレイク期待の選手】
長嶋氏が松井氏を、原氏が坂本を手塩にかけてきたように、今季は由伸監督も特定の選手を我慢して起用できるだろうか。
2017/02/03
由伸監督の育成選手は誰になるか
15年ドラ1右腕の桜井俊貴はルーキーイヤーの昨季、右肘痛にも苦しみ1試合のみの先発で0勝1敗、防御率8.31という成績に終わった。
酷な書き方だが、桜井がそれなりに1軍で投げられていたら、FAで先発右腕・山口俊の獲得もなかったかもしれない。
同じく14年ドラ1内野手岡本和真は、若手指定強化選手として昨季オープン戦でチーム最多の63打席ものチャンスを貰ったにもかかわらず、21三振、打率.164で開幕直前に2軍落ち。
イースタンでは打点王のタイトルを獲得したものの、1軍ではわずか3試合しか出場できず、2年目のシーズンを終えた。
もしも岡本がオープン戦で首脳陣の抜擢に応えていたら、少なくともストーブリーグで助っ人ケーシー・マギーの補強はなかっただろう。
そして、大学No.1内野手の前評判で入団した16年ドラ1吉川尚輝は、上半身コンディション不良のためキャンプは3軍スタート。
今年は4年に1度のWBCイヤーだ。侍ジャパンのレギュラー坂本勇人とメキシコ代表ルイス・クルーズがチームを離れる間、オープン戦で二遊間のポジションが空き、若手内野手にとっては絶好のアピールチャンスだっただけに、痛い出遅れとなった。
現実的に見て、桜井は現状ローテの6番手争い。外野にも挑戦する岡本はプロ初の開幕1軍狙い。二塁争いに臨む吉川尚はまずは体調を万全に戻すのが先決だろう。
ここ数年低迷する巨人ドラ1組だが、この中から1人でもブレイクスルーして1軍の起爆剤となれたら、近年同じような顔触れで戦い続けるチームにとっても大きい。
「育成」とは「贔屓」である。これと思った選手をいかに使い続けるか。
その昔、長嶋茂雄監督はドラ1スラッガー松井秀喜をマンツーマンで鍛え、原辰徳監督は10代のドラ1ショートストップ坂本勇人をフル出場させ続けた。
選手は己の才能を証明し、監督がそれを見逃さず腹を決めて起用する関係性。
昨シーズン中、度々聞かれた「由伸野球が見えてこない」というのは、言わば由伸監督が誰を次代のチームの中心に考えているのか見えて来なかったということでもある。
果たして、岡本や吉川尚が由伸監督にとっての松井や坂本になれるのか? 今季の巨人最大の注目ポイントになるだろう。