“大谷騒動”が逆に千載一遇の好機に――。前途多難の侍J、小久保監督が目指す地獄からの生還
侍ジャパンが窮地に立たされている。メジャーリーガーが青木以外軒並み辞退し、ここにきて主力として期待されていた大谷翔平も負傷を理由にメンバーから外れた。だが、意外にも世論の向きはこれまでとは逆になっているという。何かとバッシングされることも多かった小久保監督だが、この逆境は千載一遇の好機かもしれない。
2017/02/06
Getty Images
逆境だが小久保監督にはチャンス。V字回復できるか
普通に考えれば、前途多難だ。しかし小久保監督には「マイナスをプラスに転じる」あるいは「逆境をバネにする」というぐらいの強い気構えを持って選手とともに日本代表のためにまず目の前の戦いに向けて集中し、心血を注いでほしいと切に願う。
自らに対する風向きが明らかに変わった点は大きい。ファンの応援は何よりも強い力となる。それは小久保監督も、よく知っているはずだ。
実際のところ、次のWBCで侍ジャパンは二次リーグまでの東京ラウンドで史上初の敗退となってしまうのではないかと危惧する声も少なくない。しかし、そんな下馬評を覆して青木を除く日本人メジャーリーガーからの手助けを借りず、大谷不在でも2大会ぶりの世界一奪回を果たせば小久保監督への評価は“V字回復”する可能性十分。
確かに大谷が抜けてしまった分、チームの戦力的にはダウンを強いられる。だが、逆に言えば大谷の無念を背負いながら必死に戦おうと残った侍メンバーは今まで以上に一致団結するはず。そうなった時のチームは強い。このように選手のモチベーションを高めていくことも小久保監督は当たり前の仕事として担わなければならないだろう。
「どうせ勝てないだろう」と思われていた大会で結果を重ね、勝ち進んでいけば日本全体が自然に盛り上がっていく。是が非でも侍ジャパン・小久保監督にはWBCにおいて、いい意味で期待を裏切るような“大旋風”を巻き起こしてほしい。
とにかく、もう“バッシング”を受けるような戦いだけはゴメンだ。プレミア12で地獄を見た小久保ジャパンが奈落から這い上がり、そしてWBCで奇跡を起こす。